...山門の僧兵園城寺を扶けて...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...あの車夫があの老女を扶けながらちょうど大門(おおもん)の方へ向って歩いている...
魯迅 井上紅梅訳 「些細な事件」
...同じ味方となって相扶(あいたす)け相扶けられながら殺人鬼(さつじんき)に迫(せま)ってゆくのだ...
海野十三 「疑問の金塊」
...扶けゆく心の底も汲まれて...
大町桂月 「房州紀行」
...どちらも自然に発露する感謝の念によって扶け合い...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...外相は有栖川宮妃殿下を扶け...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...車掌は線路に飛び下りて行って彼を扶け起した...
豊島与志雄 「微笑」
...扶け入れられ、差出された水を一杯飮み終つた時、到頭來たな! といふ太い聲がした...
中島敦 「盈虚」
...一田アキなどの友情で扶けられた...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...彼等の進歩を扶けようとしました...
宮本百合子 「キュリー夫人の命の焔」
...ウィルヘルム二世はビスマークの扶けをもって...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...その策勵に扶けられること甚だ少くなかつたのを忘れ得ない...
三好達治 「間花集」
...城外へお扶けするいとまもなく」聞くや否...
吉川英治 「三国志」
...一人の宗親を見捨てて扶けなかったとあれば...
吉川英治 「三国志」
...始終玄徳を扶けてきた従来の帷幕(いばく)のほかに...
吉川英治 「三国志」
...地にあってうごけぬ者も扶けられてみな一つに寄りかたまった...
吉川英治 「私本太平記」
...「怒ったろう」「おれでも怒る」「ましてや円心入道だ」「あの戦下手な公卿大将の千種殿さえ大国三ヵ所も受領したというのに、その人を扶けて、早くから中国の勢(せい)を狩り催し、六波羅攻めにも、獅子奮迅(ふんじん)のはたらきをした赤松勢がよ」「このあつかいでは、恩賞の不平よりは、武士として顔が立つまい」「勇猛をほこる円心だけに、一族や部下を死なせた数も、赤松が一番だろうといわれておる」「ばかばかしさよ、とあの円心が、おもてに朱(しゅ)をそそいで、沙汰書を引き裂いて捨てたというが、目に見えるようだ」と、衆口は、みな円心に、同情的だった...
吉川英治 「私本太平記」
...自分の体を扶けている男の顔を見た...
吉川英治 「源頼朝」
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