...生活の根柢を深く宇宙の威力の中に托する者でなければならぬ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...肆意にして貧弱なる選擇の上に其生を托する不安の子よ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...「私の教養の一切を岩波文庫に托する」などという感激の文字もあった...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...弱り果てて力なき身を渓流の中の膚寸(ふすん)の地に托するものなるべし...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...あゝ朝日!爾(なんじ)の無限大を以てして一滴(いってき)の露に宿るを厭わぬ爾朝日!須臾(しゅゆ)の命(いのち)を小枝(さえだ)に托するはかない水の一雫(ひとしずく)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...主義の消長を顧みずして官僚團と結托するは其の甚だ喜ばざる所なり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其の如何なる内閣たるを問はずして之れと相結托するは止むを得ざる窮策たりしと同時に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...晩年落魄の感慨を托するに破芭蕉を択んだのは甚妙である...
永井荷風 「枯葉の記」
...その男が己(おの)れを托するに足りるほどに強い男であることを知った時には...
中里介山 「大菩薩峠」
...あとを托するほどの心当りはないのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...すなわち全身の重量を――この高い絶崖と遙か下方の急瀬深潭との中空において――托するに足るかどうか...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...江戸の風物と詩情とそして簡素な筋立てにその生命を托するが故に...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...今日この席の好機会に恰(あたか)も遺言の如(ごと)くにして之を諸君に嘱托するものなり...
福澤諭吉 「〔気品の泉源、智徳の模範〕」
...これを郵便に托するのは残酷過ぎると思つた...
牧野信一 「疑惑の城」
...この雜誌に一生を托することに覺悟を極めたのであらう...
正宗白鳥 「編集者今昔」
...下女下男子守の雇ひ入れに屈托することがなかつたゝめである...
正宗白鳥 「幼少の思ひ出」
...ゆえにその児(こ)の訓育を他人に托する...
箕作秋坪 「教育談」
...以後は平時相応な事業をお前に托する...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
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