...無數の騷音が波濤の如く沸き立つ中にあつて輕薄なる住宅に一身を托する生活は隨分堪らない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...純粹に個我を離れたる愛情に一身を托するを得ざる自分の矮小なる姿を恥ぢざるを得ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...もし小説に仮托するなら矢野龍渓や東海散士の向うを張って中里介山(なかざとかいざん)と人気を争うぐらいは何でもなかったろう...
内田魯庵 「二葉亭追録」
...刊行の工事は同局の工塲に托すべし...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...弱り果てて力なき身を渓流の中の膚寸(ふすん)の地に托するものなるべし...
大町桂月 「層雲峡より大雪山へ」
...句を作りて柏翠に托す...
高浜虚子 「六百句」
...我らのユーザ・サヨ・サマーレをかえって中尉並びにロゼリイス姫に托することとなりました奇(く)しき運命の変転に...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...自分の感情を思う存分に托する歌一ツだに持たず...
辻潤 「ふもれすく」
...拙著腕くらべ一千部の販売方を委托す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...わが首の所置を托する段になって驚ろいた...
夏目漱石 「草枕」
...雄弁荘重なる言語に托するものあり...
新渡戸稲造 「我が教育の欠陥」
...自分の娘をこの男に托す事を特に拒絶する理由が発見出来なかった...
浜尾四郎 「殺人狂の話」
...この雜誌に一生を托することに覺悟を極めたのであらう...
正宗白鳥 「編集者今昔」
...富農撲滅と富農と結托する僧侶排撃の精力的な活動と集団農場での文化向上のための文化・芸術ウダールニクが...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...我何れの處にか往きて此身を寄托すべき...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...工藝の未来を托すほど...
柳宗悦 「工藝の道」
...自分たちはこれを岩長姫の御姉妹に托することの...
柳田国男 「山の人生」
...生命の縄一本に身を托す...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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