...紫の打紐(うちひも)のついた大きなニッケルの懐中時計を出して...
芥川龍之介 「父」
...紫の打紐のついた懐中時計を右の掌(たなごころ)の上にのせながら...
芥川龍之介 「父」
...額は稍(やゝ)太目の赤い絹の打紐で吊すやうになつてゐる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...紫の打紐(うちひも)で大たぶさに結い...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...クルクルと打紐(うちひも)を解いて取り出したのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...朱の打紐で厳重に結んだ上に物々しく封印までしてありますが...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...どこからも入りようはない――」「香炉はあの箱に入れてあったのでしょうね」平次は違い棚に載せてある打紐(うちひも)の掛った時代付の桐箱を指しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ハムレットの短衣(タブレット)の胸に打紐の細い肋骨(ろっこつ)がついて、ハムレットはそれを律動的にいじっているのですが、その打紐は、この場合、観念内で時計の鎖の代償をしているのではないかということです...
久生十蘭 「ハムレット」
...頸にも打紐のような太い血管が現れ...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...こんな立派な打紐を見ることは出来なくつてよ! これはみんな...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...青い打紐(ブレイド)のリボンが巻いてある...
牧逸馬 「土から手が」
...美しい丈のそろった青い打紐(うちひも)のような蘆の束が...
室生犀星 「荻吹く歌」
...打紐(うちひも)を解いてみると...
吉川英治 「三国志」
...りっぱな打紐(うちひも)のお状筥(じょうばこ)で」「だれが猿(さる)めにこんなものを結(ゆわ)いつけたのか? やア...
吉川英治 「神州天馬侠」
...萌黄(もえぎ)の打紐(うちひも)で巻きしめ...
吉川英治 「新書太閤記」
...紅梅織(こうばいおり)の打紐(うちひも)を腰帯とし...
吉川英治 「新・水滸伝」
...打紐(うちひも)の売子でございます...
吉川英治 「宮本武蔵」
...この近郷で――いや近頃はかなり遠国まで知れて来た丈夫な木綿の平打紐(ひらうちひも)で...
吉川英治 「宮本武蔵」
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