...奴(やっこ)は出る杭(くい)を打つ手つき...
泉鏡花 「海異記」
...なかよく・ほんにしづかな草の生えては咲く・ひらかうとする花がのぞいた草の中から・芽ぶいて若葉して蓑虫は動かない・いちはやく石垣の茨は咲いた校長さんのお宅声をそろへて雨がほしい青蛙はうたふ・打つ手を感じ逃げてゆく蚊の...
種田山頭火 「其中日記」
...質草一つ出したり入れたりして秋また質入する時計ちくたく蝿が打つ手のかげが秋風九月十日晴れたり曇つたり...
種田山頭火 「其中日記」
...思いっきりが肝腎(かんじん)です! ほかに打つ手はありません...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...「もうほとんど打つ手はない」とグリーンウッド警部は言つた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...「カチカチ」「ちぇッ」「カチカチ」燧(ひうち)を打つ手先が戦(わなな)いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...脈の打つ手に握りたいからであろう...
夏目漱石 「虞美人草」
...次に打つ手が二ついい所があつて...
野上彰 「本因坊秀哉」
...いくらでも打つ手があった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...打つ手は一つしかない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...拍子木を打つ手を休めて三次郎に声援してゐた...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...「天下のこと日にあらずなり」私は打つ手も打つ手もみなことごとく駄目だったのだ...
正岡容 「わが寄席青春録」
...これを打つ手の総大将田沼様の御手勢かれこれ三万余人...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...ちょっと矢代の膝を打つ手真似をしてから優しく口に手をあてた...
横光利一 「旅愁」
...角に桂馬と……ウーム……こいつあ打つ手がありませんネ……...
吉川英治 「江戸三国志」
...打つ手だと思います...
吉川英治 「新書太閤記」
...ヘタな打つ手は休むに似たり――と無外交の空間に推移を委(まか)しておいたものといえよう...
吉川英治 「新書太閤記」
...そう考えてきたか」「あの真心のもとに打つ手斧(ちょうな)の音――あの信念そのものの姿で働いている法師たちや門徒の者を見ては」「そちは...
吉川英治 「親鸞」
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