...なかよく・ほんにしづかな草の生えては咲く・ひらかうとする花がのぞいた草の中から・芽ぶいて若葉して蓑虫は動かない・いちはやく石垣の茨は咲いた校長さんのお宅声をそろへて雨がほしい青蛙はうたふ・打つ手を感じ逃げてゆく蚊の...
種田山頭火 「其中日記」
...何か焦げるにほひの・こゝまではあるけたところで熱い温泉(ユ)がある(山口へ)・あかるくあつくあふれる湯にひたりおもひで(湯田入浴)・惜しみなくあふるゝよながるゝよ(途上即事)・街からついてきた蠅で打つ手は知つてゐるゆふべおもむろに蠅は殺された・打つ手を感じて蠅も私もおちつかない草が青うてどこかの豚が出て遊ぶ・よい湯あがりのはだかであるく雑草の風(追加)五月廿四日すばらしいお天気のつゞくことである...
種田山頭火 「其中日記」
...ほかに打つ手がない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...打つ手はあります...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...打つ手拍子踏む足拍子の音烈しく...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...兵馬との碁を打つ手は休めないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...脈の打つ手に握りたいからであろう...
夏目漱石 「虞美人草」
...流れる水のようにさらさらと打ち進んで、しかも、碁は非常に広くなつている……これは秀栄の名人芸として有名な話なのだが……秀哉はそれに反して、対局時間は永く、打つ手を、一手一手読み切らないと打てない棋風のようだつた...
野上彰 「本因坊秀哉」
...いくらでも打つ手があった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...「天下のこと日にあらずなり」私は打つ手も打つ手もみなことごとく駄目だったのだ...
正岡容 「わが寄席青春録」
...これを打つ手の総大将田沼様のご手勢かれこれ三万余人...
三好十郎 「斬られの仙太」
...そのため博奕を打つ手許(てもと)が狂うというのであるが...
山本周五郎 「青べか物語」
...とみて誤りはないだろう」「それはもう動かせない事実だと思います」「そこで次に打つ手だが」徹之助は少し考えて云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...ちょっと矢代の膝を打つ手真似をしてから優しく口に手をあてた...
横光利一 「旅愁」
...角に桂馬と……ウーム……こいつあ打つ手がありませんネ……...
吉川英治 「江戸三国志」
...身をひるがえせば梢斬り! 見る間に血は河となり修羅にのた打つ手負いの数...
吉川英治 「剣難女難」
...呉の堅陣に対して打つ手がない...
吉川英治 「三国志」
...打つ手だと思います...
吉川英治 「新書太閤記」
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