...奴(やっこ)は出る杭(くい)を打つ手つき...
泉鏡花 「海異記」
...なかよく・ほんにしづかな草の生えては咲く・ひらかうとする花がのぞいた草の中から・芽ぶいて若葉して蓑虫は動かない・いちはやく石垣の茨は咲いた校長さんのお宅声をそろへて雨がほしい青蛙はうたふ・打つ手を感じ逃げてゆく蚊の...
種田山頭火 「其中日記」
...ほかに打つ手がない...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...思いっきりが肝腎(かんじん)です! ほかに打つ手はありません...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...父と娘との鍬打つ手つきの反力学性...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...打つ手拍子踏む足拍子の音烈しく...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...どの手を行ってもこのほかに打つ手はない...
中里介山 「大菩薩峠」
...脈の打つ手に握りたいからであろう...
夏目漱石 「虞美人草」
...次に打つ手が二ついい所があつて...
野上彰 「本因坊秀哉」
...流れる水のようにさらさらと打ち進んで、しかも、碁は非常に広くなつている……これは秀栄の名人芸として有名な話なのだが……秀哉はそれに反して、対局時間は永く、打つ手を、一手一手読み切らないと打てない棋風のようだつた...
野上彰 「本因坊秀哉」
...いくらでも打つ手があった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...拍子木を打つ手を休めて三次郎に声援してゐた...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...これを打つ手の総大将田沼様の御手勢かれこれ三万余人...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...力のある者の腹を肥やすだけだ」「約束の理由さえわかれば打つ手もあるにちがいない」と去定はまた云った...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...とみて誤りはないだろう」「それはもう動かせない事実だと思います」「そこで次に打つ手だが」徹之助は少し考えて云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...打つ手も自然出てくるものだ...
吉川英治 「私本太平記」
...打つ手だと思います...
吉川英治 「新書太閤記」
...そう考えてきたか」「あの真心のもとに打つ手斧(ちょうな)の音――あの信念そのものの姿で働いている法師たちや門徒の者を見ては」「そちは...
吉川英治 「親鸞」
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