...ガラン以後にも手近い所でフオスタア(Foster)だとかブツセイ(Bussey)だとかいろいろ訳本の無い訣(わけ)ではない...
芥川龍之介 「リチヤアド・バアトン訳「一千一夜物語」に就いて」
...愛は手近い所からその事業を始めて...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...きわめて手近い一歩なのだ...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...遠い西洋の大学者の大研究よりも手近い日本の小学者の小研究の方が遥かに切実な印象を日本の生徒の頭脳に刻みつけるであろう...
寺田寅彦 「雑感」
...齢が若いと、すぐ、手近いところに、惚れるでのう...
直木三十五 「南国太平記」
...南玉は、脚も、手も、顫わせながら(折角、ここまで、漕ぎつけて、ここで、深雪さんを殺しては――)と、思ったが、何うすることも、できないので、手近い、灌木の枝を、しっかり掴みながら、捻じ折っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...手近い話が大工が釿(ておの)などを使うときにでも...
新渡戸稲造 「教育の目的」
...手近い空別莊のヴェランダに駈けこんで雨やみをしてゐたら...
堀辰雄 「手紙」
...手近いところで一本...
宮本百合子 「毛の指環」
...越智氏のことは島田のお母さんに伺って一番手近い機会にすっかりすましてしまいましょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...順位は事務室にもっとも手近いところから呼び出されるのだ...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...娘の箸は突然手近い肉の一切れを挟んで口に入れた...
森鴎外 「牛鍋」
...手近い處で言つて見ると...
森林太郎 「當流比較言語學」
...ままごとのお手本はそう手近いところにはないようだ...
柳田国男 「こども風土記」
...いつも手近い仕来(しきた)りをそのまま利用しますから...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...手近い法文科の門を潜って...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...そのブラシを持って手近い横路地へ這入って帽子...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...手近い例を挙(あげ)ると...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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