...同時に又手近い一切(いつさい)に...
芥川龍之介 「好色」
...画室の手近いところに置いてありますの...
上村松園 「座右第一品」
...あまり馴染(なじみ)ではないが手近いところで酒場ペチカの扉を押して入った...
海野十三 「地球発狂事件」
...人事などの分類に入らぬ現象以上はほんの手近い一...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...そういう私のごときもとかくここまでは歩が進まずに手近いところですます癖があっていけないのでありますが...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...手近い源泉から採取した色々の知識のうちで特に目立って多いものは雑多なテクニカルな伝授もの風の知識である...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...遠い西洋の大学者の大研究よりも手近い日本の小学者の小研究の方が遥かに切実な印象を日本の生徒の頭脳に刻みつけるであろう...
寺田寅彦 「雑感」
...だんだんに手近い隣接国民の語彙(ごい)を瞥見(べっけん)する事になり...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...南玉は、脚も、手も、顫わせながら(折角、ここまで、漕ぎつけて、ここで、深雪さんを殺しては――)と、思ったが、何うすることも、できないので、手近い、灌木の枝を、しっかり掴みながら、捻じ折っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...それはまた何よりお手近い儀でござる...
中里介山 「大菩薩峠」
...誤解されるといけないからここに手近い例をもう一つ挙げて置きたい...
夏目漱石 「模倣と独立」
...手近い話が大工が釿などを使ふときにでも...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...という考えを最も手近いところで表現しようとしているところがある...
宮本百合子 「明日をつくる力」
...しらべて見ましたら家からはくるまで十二三分しかかからない手近いお住居のやうで...
室生犀星 「巷の子」
...そして今夜見た公園にあるいろいろな生活が私に手近い感銘であつた...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...手近い法文科の門を潜って...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...私は独断で手近い天幕を切り裂いて繃帯(ほうたい)にして...
夢野久作 「戦場」
...御免を蒙(こうむ)り序(ついで)にモット手近いところで人間諸君の赤恥を突(つっ)つき出して...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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