...きわめて手近い一歩なのだ...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...手近い実例の人を動かす力は偉大なものである...
寺田寅彦 「雑感」
...遠い西洋の大学者の大研究よりも手近い日本の小学者の小研究の方が遥かに切実な印象を日本の生徒の頭脳に刻みつけるであろう...
寺田寅彦 「雑感」
...庭へ来て交るむ雀のあわたゞしさや手近い墓地に鳴き交わす雀共の賑わしさの中に藪鶯が美しい音尻を引いては鳴くのである...
富田木歩 「小さな旅」
...そうして二階のいちばん手近いところの部屋...
中里介山 「大菩薩峠」
...手近いところの酒井の巡邏隊(じゅんらたい)に訴えて出ろ...
中里介山 「大菩薩峠」
...それはまた何よりお手近い儀でござる...
中里介山 「大菩薩峠」
...手近い話が大工が釿などを使ふときにでも...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...手近いところで一本...
宮本百合子 「毛の指環」
...越智氏のことは島田のお母さんに伺って一番手近い機会にすっかりすましてしまいましょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...順位は事務室にもっとも手近いところから呼び出されるのだ...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...翁の選択はとうとう手近い川添(かわぞえ)の娘に落ちた...
森鴎外 「安井夫人」
...手近いところであたしなんかどうでしょう...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...いつも手近い仕来(しきた)りをそのまま利用しますから...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...そのブラシを持って手近い横路地へ這入って帽子...
夢野久作 「黒白ストーリー」
...もっと手近い例を取れば...
夢野久作 「暗黒公使」
...手近い例を挙げましても今までに出て来た…………鼻をうごめかす…………鼻にかける…………鼻じろむ…………鼻であしらう…………鼻っ張りが強い…………鼻毛が長い……というような感じの中一つでも眼や口に出来るのがありましょうか...
夢野久作 「鼻の表現」
...手近い経験から来た概念的な犯罪常識をもって...
夢野久作 「無系統虎列剌」
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