...きわめて手近いところに在ることを明らかにしたいがためでありました...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...そういう私のごときもとかくここまでは歩が進まずに手近いところですます癖があっていけないのでありますが...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...手近い源泉から採取した色々の知識のうちで特に目立って多いものは雑多なテクニカルな伝授もの風の知識である...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...手近い実例の人を動かす力は偉大なものである...
寺田寅彦 「雑感」
...妹等はもう何処らまで行ったかと思って手近い旅行案内を取り上げてみた...
寺田寅彦 「障子の落書」
...庭へ来て交るむ雀のあわたゞしさや手近い墓地に鳴き交わす雀共の賑わしさの中に藪鶯が美しい音尻を引いては鳴くのである...
富田木歩 「小さな旅」
...すぐ手近い所の異性で済ます癖のある物であるが...
直木三十五 「死までを語る」
...南玉は、脚も、手も、顫わせながら(折角、ここまで、漕ぎつけて、ここで、深雪さんを殺しては――)と、思ったが、何うすることも、できないので、手近い、灌木の枝を、しっかり掴みながら、捻じ折っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...手近いところの酒井の巡邏隊(じゅんらたい)に訴えて出ろ...
中里介山 「大菩薩峠」
...もっと手近いところで...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...誤解されるといけないからここに手近い例をもう一つ挙げて置きたい...
夏目漱石 「模倣と独立」
...手近い空別莊のヴェランダに駈けこんで雨やみをしてゐたら...
堀辰雄 「手紙」
...越智氏のことは島田のお母さんに伺って一番手近い機会にすっかりすましてしまいましょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しらべて見ましたら家からはくるまで十二三分しかかからない手近いお住居のやうで...
室生犀星 「巷の子」
...そして今夜見た公園にあるいろいろな生活が私に手近い感銘であつた...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...娘の箸は突然手近い肉の一切れを挟んで口に入れた...
森鴎外 「牛鍋」
...手近い法文科の門を潜って...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...そのブラシを持って手近い横路地へ這入って帽子...
夢野久作 「黒白ストーリー」
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