...子供の頃は遠く感じた祖母の家が、今では手近な場所にある...
...もっと手近なところでいえば...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...顔色を変えていきなり手近かのベルを押そうとしましたので...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...映画なら手近の六区で見たらよさそうなものを...
高見順 「如何なる星の下に」
...好例(こうれい)として示すべき物は余の手近(てぢか)には唯一個有るのみなり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...それに画布のほうは手近にあるものだから...
寺田寅彦 「自画像」
...まず手近なマライ語の語彙(ごい)に目を通す事を試みた...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...手近なところに出来ますよ...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...手近な處で考へました所が...
内藤湖南 「近代支那の文化生活」
...「ホホホ、もう梅が咲いている」お君の方はたちどまって、手近な、その一枝を無雑作に折って、香いを鼻に押し当て、「おお好い香り、ああ好い香い」心のうちにときめく香りに、お君は自分ながら堪えられないように、「殿様に差上げましょう、この香りの高い梅の花を」お君はそれを銚子の間に挿(さ)し込んで歩みを移そうとした途端に、よろよろとよろめき、「おや」それはほろ酔いの人としては、あまりに仰山なよろめき方であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...誰がそんな名を付けたんだ」「あっしじゃありません」「当り前だ、そんな洒落た智恵がありゃ、世間様が岡っ引なんかにしておくものか」「まるで叱られているようだ、――ところで親分、一軒一軒叩き起してみましょうか」ガラッ八はそう言いながら、一番手近にある、按摩の竹の市の表戸を叩きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...恐らく手近の溜池に沈めたといふのが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それにもっと手近なところに幾らもおりまさあね...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...彼らの快楽はずっと豊富でしかもずっと手近にある...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...手近の村々の現在の大字についてその名称の成立を考えてみるのが早道である...
柳田國男 「地名の研究」
...手近に見つかる知識をさえなくしてしまうのである...
柳田国男 「年中行事覚書」
...それから忍藻は手近にある古今集を取っていい加減なところを開き...
山田美妙 「武蔵野」
...最も手近い例としては...
夢野久作 「暗黒公使」
...この疑問が解決される時機は手近く見たところで今年の三四月であろう...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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