...子供の頃は遠く感じた祖母の家が、今では手近な場所にある...
...この手近に住んでゐない...
芥川龍之介 「点心」
...(書を披く)手近に浄瑠璃にありました...
泉鏡花 「海神別荘」
...手近かな「婦人解放」という他の仕事があるのだ...
伊藤野枝 「転機」
...いちばん手近なものとして気のつくのは...
寺田寅彦 「自然界の縞模様」
...軽く会釈をして手近の椅子ににじり寄って座る...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「同一事件」
...其手帳は今私の手近にあります...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...最も手近かではヘーゲルであった...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...それもごく手近に限度のあることで...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...手近なものから最終のものに至るまで...
豊島与志雄 「生活について」
...手近にあったものにもせよ...
豊島与志雄 「渡舟場」
...だから、手近い益満に、軽い、乙女心の恋を感じていたが、旅をし、男の数を知り――百城に逢うと、その顔立、物腰、寡黙の中のやさしさ――それは、益満の粗暴とはちがって、男の値打に経験の無い綱手には、ずっと、益満より、立ち優って見えた...
直木三十五 「南国太平記」
...そうして二階のいちばん手近いところの部屋...
中里介山 「大菩薩峠」
...お勝手近くなると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遠く離れた無数の処にすぐ手近かの悲哀を見るものだ...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...彼がその書類を有効に使おうと思うなら常にそれを手近に置かなければならないという事実と...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「盗まれた手紙」
...しらべて見ましたら家からはくるまで十二三分しかかからない手近いお住居のやうで...
室生犀星 「巷の子」
...手近に見つかる知識をさえなくしてしまうのである...
柳田国男 「年中行事覚書」
...手近の尖つた島と自分の島との間の瀬戸をば日に一度か二度...
若山牧水 「樹木とその葉」
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