...子供の頃は遠く感じた祖母の家が、今では手近な場所にある...
...」と四度半が手近な手函(てばこ)へ据(すわ)る...
泉鏡花 「薄紅梅」
...ついに自分の手近(てぢか)に越(こ)さしたのであるが...
伊藤左千夫 「老獣医」
...手近(てぢか)にあり合せた袋で間に合わしていた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...最も手近な一例を示せば...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...手近で屈強な武器はありませんからね...
大阪圭吉 「坑鬼」
...一番手近な花束を一つ買った...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「碧眼」
...そう思って私は試みに手近な書物のさし絵を片はしから点検して行った...
寺田寅彦 「浮世絵の曲線」
...手近い実例の人を動かす力は偉大なものである...
寺田寅彦 「雑感」
...云うまでもなく広範な読者層を獲得するに最も手近かな仕方は...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...アカデミックな機能に対立する新聞のこのジャーナリスティックな機能こそ日常性の原理の最も手近かな証拠になる...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...或いは寧ろ之よりも手近かに...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...その最も手近なところから出発して...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...もっと手近なところでは...
中谷宇吉郎 「科学は役に立つか」
...一番平凡な手近な問題で...
中谷宇吉郎 「樹氷の科学」
...そこでその手近な長椅子に探り寄った...
リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「白」
...又手近くその地から材料を得ることなくば...
柳宗悦 「雑器の美」
...このようにも手近に迫っているこの現象に...
横光利一 「上海」
...そういう青年たちにまず勧(すす)むべき手近な道は...
和辻哲郎 「孔子」
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