...子供の頃は遠く感じた祖母の家が、今では手近な場所にある...
...」こういう問答を聞いていたゲエルは手近いテエブルの上にあったサンドウィッチの皿を勧めながら...
芥川龍之介 「河童」
...手近(てぢか)に住んで居らぬ所に...
芥川龍之介 「点心」
...諸君は諸君の生活を調整すべき具體的な秩序を手近に持つてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...こころみに誰にも知られている手近な実例をあげてみるならば...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...きわめて手近い一歩なのだ...
モーリス・ルヴェル 田中早苗訳 「或る精神異常者」
...手近に坐(すわ)っていた京人形みたいな女給をちょっと好きになって...
田中英光 「オリンポスの果実」
...手近い源泉から採取した色々の知識のうちで特に目立って多いものは雑多なテクニカルな伝授もの風の知識である...
寺田寅彦 「西鶴と科学」
...――之は一等手近かな問題である...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...手近かな端初的な形態が潜んでいるのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...手近なところにあるのではあるまいか...
豊島与志雄 「性格を求む」
...手近なものから最終のものに至るまで...
豊島与志雄 「生活について」
...事実の発展によつて証明せらるべき手近(てぢか)な真(まこと)を...
夏目漱石 「それから」
...手近い話が大工が釿などを使ふときにでも...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...越智氏のことは島田のお母さんに伺って一番手近い機会にすっかりすましてしまいましょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...子供たちは猛然とそれぞれ自分の手近にある物の方に走りよった...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...手近(てぢか)な例として挙げられるのは...
柳田国男 「海上の道」
...めいめい手近のものから心づいた事実を...
柳田国男 「木綿以前の事」
...手近な宝の山みたいな存在だが...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
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