...漁史は、手応の案外強きに呆れ、多少危懼せざるに非ざれども、手繰るに従いて、徐々(しずしず)相近づくにぞ、手を濡らしつつ、風強き日の、十枚紙鳶(だこ)など手繰る如く、漸く引き寄す...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...岸から艫の縄を手繰ると...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...矢張自分で手繰るので有った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...空間のこういう弁証法的な触手を手繰ることによって初めて...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...巧な者は手繰ることが早いから風の向きのみで勝敗が決するという事もなかった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...それだけ手繰るには不便であった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...お銀様が力をこめて井戸縄を手繰る音が...
中里介山 「大菩薩峠」
...二十尋も三十尋も手繰るんだからな...
長塚節 「土浦の川口」
...「この上は醫者の北村道作の方を手繰るの外はあるまいよ」平次は休む隙もなく八五郎と一緒に弓町まで出かけました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「この上は医者の北村道作の方を手繰るの外はあるまいよ」平次は休む隙(ひま)もなく八五郎と一緒に弓町まで出かけました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...重そうな釣瓶を手繰るムクムクした手を見ると...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...若い衆達は髪の青葉を引っ手繰るし...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...すばやくなにかを手繰ると...
山本周五郎 「青べか物語」
...蠶のやうに手繰ると糸になつて出て來る...
吉川英治 「折々の記」
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