...酔つた叔父は暗闇の中を手探り足探りに...
石川啄木 「刑余の叔父」
...燈は遠し、手探りを、何の気もなく草鞋を解いて、びたりと揃えて、トンと船底へ突込(つきこ)むと、殊勝な事には、手拭の畳んで持ったをスイと解き、足の埃をはたはたと払って、臀(いしき)で楫(かじ)を取って、ぐるりと船の胴の間にのめり込む...
泉鏡花 「浮舟」
...それから僕は手探りに...
海野十三 「深夜の市長」
...「何だろう?」手探りでそッと撫で廻してみると...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...びっくりして手探りで探してみると...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...彼はそちらへ手探りで歩き出した...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...手探りに戸を開けて内へ入り...
田中貢太郎 「花の咲く比」
...ほとんど暗闇で手探りしないばかりの苦労を重ねながら...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...私は手探り足探りで...
豊島与志雄 「囚われ人」
...それでも彼は闇(やみ)の中を手探りでなお前進し続けた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...われらは明日から再び手探りの研究を始めなければならないという嘆きに沈むのもまたやむをえないことと思われるのである...
中谷宇吉郎 「指導者としての寺田先生」
...佐の市は手探り乍ら...
野村胡堂 「禁断の死針」
...手探りで摺附木(マッチ)だけは探り当てたが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...彼は手探りに家の方へ引返すと...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...手探りながら杭州人形と蛇酒と水銀剤とを押入の中へ押し込んだ...
横光利一 「上海」
...「ちいッ」と、瞳の激痛をこらえながら、瓦の上を、手探りに、それと思う辺(あた)りを、十手で払うと、「外記ッ...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...十年以上も暗闇の手探りをしていた天満組(てんまぐみ)の俺たちも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...手探りで歩いている――アアあぶない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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