...先刻から手持ちぶさたそうにただ立って成り行きを見ていた五十川女史は思いきって近寄って来て...
有島武郎 「或る女」
...おれは手持ちぶさたな思ひをしたくなかつたのである...
太宰治 「陰火」
...手持ちぶさたげに床をスリツパでぱたぱたと叩いたりして...
太宰治 「道化の華」
...手持ちぶさたの様子であった...
太宰治 「火の鳥」
...白日のもとに見るとあれはいかにも手持ちぶさたな間の抜けたものである...
寺田寅彦 「神田を散歩して」
...あらゆる宣伝を手持ちぶさたにする「太陽」のようなものがもし何かあるとしたら...
寺田寅彦 「神田を散歩して」
...踊り子たちの手持ちぶさたを紛らすためにだれかが歌いだす...
寺田寅彦 「沓掛より」
...全く言葉どおりに手持ちぶさたを感じる...
寺田寅彦 「ステッキ」
...もちろん毎朝見ているものを見ないという一種の手持ちぶさたな感じはあったに相違ないが...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...自分はその後ろに小さくなって手持ちぶさたでいると...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...何と挨拶(あいさつ)もし兼ねて手持ちぶさたに杯(さかずき)を上げ下げして居しが...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...一寸手持ちぶさたな心地になり...
豊島与志雄 「未来の天才」
...そのほかはまったく手持ちぶさたなKに...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...手持ちぶさたがさせる白々しい...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...どれもこれもお茶挽(ちゃひ)き姿で手持ちぶさたを喞(かこ)っている風(ふう)...
吉川英治 「私本太平記」
...さだめし手持ちぶさたなお心地であろうに)などという不面目も酬(むく)われている...
吉川英治 「新書太閤記」
...またしばらく、手持ちぶさたに、もじもじしていると、「お綱、今のうちに、髪をなおしてくれぬか」と、弦之丞のほうから渡りに舟の頼みが出る...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...武蔵はむしろ手持ちぶさたを感じながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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