...為替(かわせ)や手形にデュープリケートの写しを添えるよりもいっそう手堅いやり方なのである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...手堅い廻船問屋らしい構えに見受けられた...
徳田秋声 「仮装人物」
...――そもそもわたしのどこがそんなに變りましたかね?」「變ったのなんのって! 昔のパーヴェル・パーヴロヴィチさんはじつに手堅い...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...最も手堅い男に貸しつけていたのだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...オランダの画は目立って手堅い写実の基礎の上で発達している...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...先代までは大町人中でも手堅い家風を褒められましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「手堅い一方で、町内の評判者ですよ」「お茂(しげ)とか言つたね――菱屋の娘には行方知れずになつた金藏の外に仲の良い男がないのかな」平次の問ひは又一轉します...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...口やかましくて、手堅い性分で、なまけ者や誤魔化(ごまか)しを見ていることの出来なかった総兵衛でしたが、その一面には慈悲の心にも富み、信心も篤(あつ)く、まず町人としては申分のない人柄で、人に殺されるはずもないようですが、物事に容赦(ようしゃ)のない性格が、とんだ怨(うら)みを買ったのかもわかりません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...聴いたか」「ヘエ――」「市五郎は人相は悪いが手堅い男だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手堅いので評判の番頭が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...畝織の手堅い長上着にはそれとなき布地のほつれが見え...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...手堅い身なりで、無髯で冷酷で、年はいくつとも定めがたいこの男は、ブリュウテンツワイク氏が自ら運んで来るブロンズの中から、あれこれと選んでいる...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神の剣」
...手堅い銀行家でいながら小説を作る人――そんな人はあったためしがないのです...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...それを手堅い趣味で扱う腕を見せた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...わたしたちは手堅い自立の訓練を身につけなければならない...
宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
...「やつぱし何かかう手堅い仕事を見つけなくちや駄目よ...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...実に手堅い塗ということが...
柳宗悦 「陸中雑記」
...純楮の手堅い紙を漉いて板干にしてくれた...
柳宗悦 「和紙十年」
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