...沈黙家(むつつりや)で石のやうに手堅い生れつきであつた...
薄田泣菫 「幽霊の芝居見」
...それだから年号と年数と干支とを併記して或(あ)る特定の年を確実不動に指定するという手堅い方法にはやはりそれだけの長所があるのである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...最も手堅い男に貸しつけていたのだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...その代り手堅い取引きにしか応じない...
豊島与志雄 「程よい人」
...オランダの画は目立って手堅い写実の基礎の上で発達している...
野上豊一郎 「レンブラントの国」
...手堅い商人かなんかのように響きますが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...番頭の喜助(きすけ)は四十五六の手堅い男...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「手堅い一方で、町内の評判者ですよ」「お茂(しげ)とか言つたね――菱屋の娘には行方知れずになつた金藏の外に仲の良い男がないのかな」平次の問ひは又一轉します...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...聴いたか」「ヘエ――」「市五郎は人相は悪いが手堅い男だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...手堅い作風において...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...手堅い渋い話術の中に警抜な警句を言い放ち...
正岡容 「わが寄席青春録」
...幕府にも手堅い組織があって...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「やつぱし何かかう手堅い仕事を見つけなくちや駄目よ...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...輪島のものは塗(ぬり)が手堅いのを以て世に知られ...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...それ故実用こそはかえって美しさの手堅い原因となります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...私たちは手堅い手仕事の中から...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...人々は商人から買うよりも直接に注文する方が一層安くてかつ手堅いものを得られるのである...
柳宗悦 「陸中雑記」
...このことも衣川の手堅い塗の大きな要素といわねばならない...
柳宗悦 「陸中雑記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??