...もしこの絶望の武士が、士人らの矢のなかに本当に身を投げ出したのだったら……数日後に、彼はチロオヌの軍に出会したが、相手はこちらの軍勢より数においてまさるにもかかわらず、手合せを拒んだ...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...両手合せて拝みたいほどでございました...
太宰治 「十五年間」
...峻厳(しゅんげん)、執拗(しつよう)、わが首すじおさえては、ごぼごぼ沈めて水底這わせ、人の子まさに溺死(できし)せんとの刹那(せつな)、すこし御手ゆるめ、そっと浮かせていただいて陽の目うれしく、ほうと深い溜息、せめて、五年ぶりのこの陽を、なお念いりにおがみましょうと、両手合せた、とたん、首筋の御手のちから加わりて、また、また、五百何十回めかの沈下、泥中の亀の子のお家来になりに沈んでゆきます...
太宰治 「二十世紀旗手」
...両手合せて拝みたいほどでございました...
太宰治 「火の鳥」
...両手合せて哀願するつもりでございます...
太宰治 「皮膚と心」
...ことに上手(うわて)のものとのみ手合せをしておいでと見えて...
中里介山 「大菩薩峠」
...謙信とはともかくも手合せをしておられるけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...太閤ならばどんなものであったろうか知ら」「それは手合せがなかっただけに面白い見立(みたて)にはなる...
中里介山 「大菩薩峠」
...どうか大先生(おおせんせい)と一つお手合せを願いたくて罷(まか)り出でたと申し出る...
中里介山 「大菩薩峠」
...当道場の先生にもぜひ一本のお手合せが願いたい――これまで各地遍歴の間...
中里介山 「大菩薩峠」
...最初の手合せで、しかも江戸に一流の名ある道場の主人公その人を敵に取りながら、その敵を眼中におかず、余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)たるその態度...
中里介山 「大菩薩峠」
...一と月に一度や二度は手合せをいたします...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その前に妾たちと三度だけ阿房(ドゥールニャ)の手合せをしてからでなきや駄目だよ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...僕の殿様が「こりゃ/\汝と麻雀の手合せするも久しぶりじゃのう」と言ふと...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...上京中の竹川・田中夫人と手合せ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...おそくまでポーカーの手合せに耽つた...
牧野信一 「川を遡りて」
...T「先生に一本御手合せ願い度く」取次の侍「暫時御待ちの程を」と言って...
山中貞雄 「武蔵旅日記」
...御身一本春日殿と手合せ致して見い」と梵鐘(ぼんしょう)の如き声で末座の一人に(あご)を向けると...
吉川英治 「剣難女難」
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