...お増も今年きりで下(さが)ったとの話でいよいよ話相手もないから...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...火薬船などと手前(てまえ)をつくろう手もないではないからのう」事務長は...
海野十三 「火薬船」
...――相手もないのに身ごもるなどという不思議なことが...
海野十三 「三人の双生児」
...小人は話相手もないものだから...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...貰ってもしようがないと貰い手もない時節であるから...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ほかに相談相手もないので...
谷崎潤一郎 「鍵」
...私には喧嘩する相手もない...
種田山頭火 「其中日記」
...睡蓮(すいれん)には目もなければ手もないから...
寺田寅彦 「藤棚の陰から」
...ナニ、お前の前だが、若いうちの失敗(しくじり)は誰もあることじゃ、そのうちには自分も忘れ、世間も忘れる、その頃合(ころあ)いを見計らって、わしはお前をつれて亀山へ行き、詫(わ)び言(ごと)をして、めでたく元へ納めるつもりだ、暫らくの辛抱だよ」伯父はひとりで力を入れて嬉しがっているようでしたが、「その、お前を暫らく預けておこうとわしが考え当てたのは、なんの、手もないこと、ついこの先のお陣屋じゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...他には介抱の仕手もないので...
長塚節 「芋掘り」
...このごろは人手もないもンで弱つてゐます‥‥」坐るなり久江は眼を外らした...
林芙美子 「夜福」
...話相手もないので...
牧野信一 「小川の流れ」
...師匠がいくら骨を折ってくれても真打にしてくれ手もないこの私...
正岡容 「小説 圓朝」
...まだこっちは坊主頭で遊び相手もないとき...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...四男五男は拾い手もない古草鞋(ふるわらじ)...
山本周五郎 「七日七夜」
...被害者も訴え手もないのである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いまは、春蚕(はるご)を飼うので、手もない時故、御子ひとりで、行てくだされ...
吉川英治 「平の将門」
...どうやらこうして話相手もない境涯のままで...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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