...手ぶらで柳橋の館――いや館は上方――何とか家へ推參する...
泉鏡花 「遺稿」
...渠が手ぶらでさきに立つてはしご段をのぼる時...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「手ぶらで? 車も呼ばないで? じゃ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...手ぶらで部屋を出ていったところをみますと...
江戸川乱歩 「少年探偵団」
...このまま、手ぶらでも、けえられめえ...
太宰治 「春の盗賊」
...出来れば手ぶらで汽車に乗れるように...
太宰治 「服装に就いて」
...爺さんは果して岡持も持たず手ぶらでやつて来た...
永井荷風 「勲章」
...手ぶらで帰るなんぞは子供の使のようで面目もございませんが...
中里介山 「大菩薩峠」
...市中の本能寺あたりへ手ぶらで泊るということがあるものか...
中里介山 「大菩薩峠」
...從弟の十になる兒と自分とは手ぶらで蹤いて行く...
長塚節 「利根川の一夜」
...順一は手ぶらで五日市町の方へ出向くことはなく...
原民喜 「壊滅の序曲」
...とぼとぼと手ぶらで引あげて行った折の姿は...
牧野信一 「鬼涙村」
...手ぶらでゐられた...
室生犀星 「帆の世界」
...「そしたら憚りながら俺は手ぶらで食わせてもらうよ」清子も負けてはいなかった...
矢田津世子 「茶粥の記」
...最後の日にも手ぶらで帰ってきて...
柳田国男 「故郷七十年」
...夫人は手ぶらで歩かせるというような美風も...
吉川英治 「押入れ随筆」
...手ぶらで都入(みやこい)りも気がきかない...
吉川英治 「神州天馬侠」
...まるで手ぶらで野鳥を追ッかけにいくようなもの...
吉川英治 「新・水滸伝」
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