...手の甲は粉つぽくない白さで指の股から手の裏へかけてほんのり紅味をもつてゐた...
竹久夢二 「砂がき」
...こんどは手の裏を返すように...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...しかし相撲四十八手の裏表が力学の応用問題として解説の対象となりうることには違いはないので...
寺田寅彦 「相撲」
...手の裏を返したように冷たくなってしまったのだよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...然し祝儀の多寡によって手の裏返して世辞をいうような賤しいところは少しもなかったので...
永井荷風 「申訳」
...その裏を舐めて手紙へ貼った――切手の裏には猛毒薬青酸が塗ってあるから...
野村胡堂 「死の予告」
...切手の裏へ塗った青酸を嘗(な)めてさえ死んだ例がある位だから...
野村胡堂 「流行作家の死」
...代渡し切手の裏判のことまで...
久生十蘭 「奥の海」
...お取立てにあずかった手の裏(うち)をごらんくだされと自慢顔で披露した...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...手の裏には、四本の指の痕(あと)のような紫の痕があって、拳(こぶし)の上には細い拇指(おやゆび)の痕らしいものもあった...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...手の裏を反した如く彼女に対して美しい幻影を惜まなかつたが...
牧野信一 「小川の流れ」
...その攘夷五郎太郎だ」急に手の裏返すように目の光がやわらかくなり...
正岡容 「寄席」
...手の裏を返すように...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...もうお主は己の手の裏(うち)の物だ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...わたしは彼がいわば相手の裏をかいて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...しかし悲喜哀歓は実にこの手の裏表も同じこと...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...手の裏に十手を隠して...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...なんだっていきなり手の裏を返すようなことを仰しゃるの?」「僕が尊重してたって...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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