...膝(ひざ)の上に乗せている岡の右手の甲の上からしっかりと捕えた...
有島武郎 「或る女」
...ポツン! と勢のいい奴が手の甲にあたる...
石川欣一 「可愛い山」
...袖近く、あわれや、片手の甲の上に、額を押伏せた赤沼の小さな主は、その目を上ぐるとひとしく、我を忘れて叫んだ...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...手の甲(こう)をかえして拳(こぶし)の先で三和土の上をあちこち触れてみた...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...それから彼は手の甲で洟(はな)をすすりあげ...
海野十三 「心臓盗難」
...おおお面白いことを云う」帆村が口のあたりについている涎(よだれ)らしいものを手の甲で拭(ぬぐ)い乍(なが)ら云うのであった...
海野十三 「西湖の屍人」
...遂に彼からは手の甲で一撃見舞って来てしまったんだが...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...ひびだらけの黒い手の甲で眼を擦りました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...」「それでお前は笑ふ時などに何気ないやうな手つきで眼のあたりに手をやるんだね?」「そんなこともないけれど……」細君はあかくなつて吾知らず手の甲を顔にあてた...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...思わずその腫れた手の甲を瞼へ持っていった...
正岡容 「小説 圓朝」
...孝一は手の甲をさすつて姉の顏を睨んだ...
室生犀星 「めたん子傳」
...手の甲で口のはたを拭いながら言った...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...口のまわりを手の甲で(涎(よだれ)でも出ているように)擦(こす)ったりした...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...思うんだが」とさぶは手の甲で口を拭きながら云った...
山本周五郎 「さぶ」
...もういちど人間に生れてきてえと思いました」吉次はまた手の甲で眼を拭き...
山本周五郎 「ひとでなし」
...頭がボーとなって来る」又野が毛ムクジャラの手の甲で顔をゴシゴシとこすった...
夢野久作 「オンチ」
...土に汚れた手の甲を...
吉川英治 「新書太閤記」
...ふたつの手の甲が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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