...」と手の甲で引擦(ひっこす)る...
泉鏡花 「歌行燈」
...おおお面白いことを云う」帆村が口のあたりについている涎(よだれ)らしいものを手の甲で拭(ぬぐ)い乍(なが)ら云うのであった...
海野十三 「西湖の屍人」
...例の手の甲の傷痕です...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...手の甲には靜脈の青い血管がうつすりと透いて見えて...
太宰治 「思ひ出」
...左の手の甲が血みどれになっているので...
太宰治 「花吹雪」
...もう吹出物が手の甲にまでひろがって来ていて...
太宰治 「皮膚と心」
...彼の手の甲の静脈は...
豊島与志雄 「塩花」
...この手の甲こそ気高い暴徒が接唇(くちづけ)をしたその場所だ!或時この手が蒼ざめた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...環(かん)が飛んで手の甲(こう)をいやというほど撲(ぶ)った...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...業々しく手の甲に繃帯を巻いた娘や...
牧野信一 「昔の歌留多」
...手の甲が上になって...
森鴎外 「心中」
...額の汗を手の甲でぬぐった...
山本周五郎 「ひとごろし」
...左手の甲で鼻をこすった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「高慢なつらをするな」とひそめた声で叫びながら、あの方は平手でわたくしの頬を打った、「――この上品ぶったつらが、おれをなんだと思ってるんだ、なんだと思ってるんだ、来い、きさまはおれの女房なんだぞ」あの方は手の平で打ち、手の甲で打った...
山本周五郎 「やぶからし」
...……そん時の嬉しかったこと……妾は思わず手の甲に爪が喰い入る程力を籠めてイーコン様を拝んじゃったわ...
夢野久作 「支那米の袋」
...氷のような汗がパラパラと手の甲に滴(したた)り落ちた...
夢野久作 「幽霊と推進機」
...人間以前の人間の毛ぶかい痕跡を手の甲や耳の穴にまだ持っている四十がらみの侍だった...
吉川英治 「私本太平記」
...手の甲で拭きながら...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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