...火星人の手の届かない一万キロの上空から火星地上一センチのものを発見できるという驚異的性能を持ったものである...
海野十三 「ある宇宙塵の秘密」
...暫くでもあの青年の手の届かない土地に置く方が安全と思う...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自分の過去の恋人がたま/\彼の手の届かない貴人の許(もと)へ拉(らっ)し去られたと云うだけのことに...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...次第に北朝軍の手の届かない奥吉野の山間僻地(へきち)へ逃(のが)れ...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...なんだか私の手の届かない所にいるようだ...
外村繁 「夢幻泡影」
...手の届かない小鳥が飛び回ってる籠(かご)を見守り...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...飯櫃(めしびつ)は依然として兄さんの手の届かない私の傍(そば)にありました...
夏目漱石 「行人」
...自分の手の届かない暗中から不意に来たものを...
夏目漱石 「明暗」
...子供の手の届かないところ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私たちすべてにとってまったく手の届かない裁判所だけが握っているのです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...彼女は既に彼からは殆ど手の届かないようなところに行ってしまっていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...手の届かない所にあることで充分でしょう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...そしておまけに此処は法の手の届かない貨物船の釜前(フレイタア)じゃないか――そうだ...
牧逸馬 「上海された男」
...この美しいものが手の届かない理想になっているということを感じて...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...塩山家の経済では手の届かない高価なものばかりだし...
山本周五郎 「季節のない街」
...警視庁の手の届かない遠い処へ飛ぶつもりでいるのだから万に一つも捕まる心配はない...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...叡山という手の届かない巣にたてこもって...
吉川英治 「私本太平記」
...いくつかは手の届かない高さにあり...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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