...その法術にかけては玄人であるところの医者または僧侶が他の人間には手の届かない知恵をもっているのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...火星人の手の届かない一万キロの上空から火星地上一センチのものを発見できるという驚異的性能を持ったものである...
海野十三 「ある宇宙塵の秘密」
...暫くでもあの青年の手の届かない土地に置く方が安全と思う...
谷崎潤一郎 「細雪」
...自分の過去の恋人がたま/\彼の手の届かない貴人の許(もと)へ拉(らっ)し去られたと云うだけのことに...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...ふたりは手の届かないところまで行ってしまっていた...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...なんだか私の手の届かない所にいるようだ...
外村繁 「夢幻泡影」
...なにか手の届かないような魅力を持っていました...
豊島与志雄 「旅だち」
...自分の手の届かない暗中から不意に来たものを...
夏目漱石 「明暗」
...外からは手の届かないところにしまっておくだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私たちすべてにとってまったく手の届かない裁判所だけが握っているのです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...彼女は既に彼からは殆ど手の届かないようなところに行ってしまっていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...手の届かない所にあることで充分でしょう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...そしておまけに此処は法の手の届かない貨物船の釜前(フレイタア)じゃないか――そうだ...
牧逸馬 「上海された男」
...それは自分の手の届かないものに対する明(あきら)かなる羨望(せんぼう)であった...
水上滝太郎 「遺産」
...塩山家の経済では手の届かない高価なものばかりだし...
山本周五郎 「季節のない街」
...二人の手の届かないところへ逃げつづけた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...叡山という手の届かない巣にたてこもって...
吉川英治 「私本太平記」
...いくつかは手の届かない高さにあり...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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