...カーンと靴先に音があって何か金属製の扁(ひら)ったいものを蹴とばした...
海野十三 「人造人間殺害事件」
...みんな安楽椅子のような扁平(へんぺい)なのばかりである...
寺田寅彦 「柿の種」
...妻の左胸部は扁平である...
外村繁 「落日の光景」
...ところが藪の先生、それを『(しゃけ)』と読んでしまったんだ、魚扁に生、それはサケともいうし、シャケともいう字なんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...門の陶製の扁額に「首里の王おきやかもひかなし御代にたて申候...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...……白い鳥毛の扁帽を冠った前駆の侍僮が...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...これが扁平なんだ...
久生十蘭 「魔都」
...彼女はそれとなく扁理に娘の話をしだした...
堀辰雄 「聖家族」
...扁理が踊り子の肩に手をかけようとしたことがある...
堀辰雄 「聖家族」
...扁理が帰った後、絹子は自分の部屋にはいるなり、思わず眼をつぶった...
堀辰雄 「聖家族」
...扁理自身にもよく分らなかつた...
堀辰雄 「聖家族」
...扁理は友人たちと一しよにコツク場のやうな臭ひのするカジノの樂屋廊下に立ちながら...
堀辰雄 「聖家族」
...彼女はどういふ二人づれを見ても知らず識らず扁理たちを思ひ出してゐたのだが……彼女は歩きながら...
堀辰雄 「聖家族」
...庵は貝殻を伏せたやうな扁平な草葺屋根で池のふちに蹲つてゐた...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...輪扁(りんぺん)の木を断るが如く終(つい)に他に教ふべからずといへども...
正岡子規 「俳人蕪村」
...姫君と扁隠(へんかく)しの遊びなどをして日を暮らした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...」と千鶴子は一寸扁額を見上げて云った...
横光利一 「旅愁」
...支那の字書に車扁の字が多いやうに...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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