...奇妙な粘土製の扁片と唯一の石器とを示し...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...及び之を打ち碎(くだ)くに用ゐしならんと考へらるる扁平石(へんぺいせき)(縁(ゑん)部に赤色料付着す)は遺跡(いせき)より發見(はつけん)されし事有るなり...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...そして、そのキリスト紀元千七百八十年にモンセーニュールの接見会(リセプション)に集った賓客たちの中で、頭髪を縮らし、髪粉をつけ、金モール服を著、扁底靴を穿き、白絹靴下を穿いた一校刑史に根ざしたある制度★が、余人ならぬ自分たちの運の星の消えるのを見ることになろうとは、誰がおそらく思ったことであろう!モンセーニュールは彼の四人の侍者の重荷を卸してやって彼のチョコレートを飲んでしまうと、最も神聖な処の中でも最も神聖な処の扉(ドア)をさっと開かせて、現れ出でた...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...そればかりでなく煙管の吸口をガリガリ噛むので銀の吸口が扁(ひら)たくひしゃげていたようである...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...つまり人間の体内に耆婆扁鵲(ぎばへんじゃく)以上の名医が居て...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...すると与次郎はなんにも言わずにその扁平(へんぺい)な顔を前へ出して...
夏目漱石 「三四郎」
...一本も毛のない扁平な顱(ろ)頂につづき...
久生十蘭 「海豹島」
...そして彼女はいつしか自分の母の眼を通して扁理を見つめだした...
堀辰雄 「聖家族」
...「この人の樣子にはどこかしら罪人と云つた風があるな」と扁理は考へた...
堀辰雄 「聖家族」
...彼女は扁理の心を奪はうとして...
堀辰雄 「聖家族」
...彼女はどういふ二人づれを見ても知らず識らず扁理たちを思ひ出してゐたのだが……彼女は歩きながら...
堀辰雄 「聖家族」
...きつと扁理はそんな人なんか愛してゐないのかも知れない...
堀辰雄 「聖家族」
...扁理は或る小さなホテルにはひり...
堀辰雄 「聖家族」
...ひとつは彼等の方言が夥しく扁端なせゐであるためなのかも知れませんが...
牧野信一 「月あかり」
...鼻に長き鬚あり尾扁(ひらた)くして蝦(えび)(または蝗(いなご))に似...
南方熊楠 「十二支考」
...少し扁(ひら)べったくなって...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...たとえば京都の文献に現われている幾つかの土扁・山扁の漢字は...
柳田國男 「地名の研究」
...この土扁に丸の字は理窟から拵(こしら)えた和製の字で...
柳田國男 「名字の話」
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