...その所々には障子(しょうじ)にうつるともしびの光さえ黄色く靄(もや)の中に浮んでいる...
芥川龍之介 「大川の水」
...所々樹の列にすきがある...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...そして又その鋲の個所々々も...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...外廻りには要所々々に番兵が立ち...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...所々に崖崩れがしていた...
豊島与志雄 「道連」
...裸になったら所々に黒子や痣がありそうな肥った胴体...
豊島与志雄 「慾」
...其所には鉛筆で一面に汚(よご)された紙が所々赤く染ったまま机の上で彼を待っていた...
夏目漱石 「道草」
...所々には、水増しの時できた小さな壺穴(つぼあな)の痕(あと)や、またそれがいくつも続いた浅い溝(みぞ)、それから亜炭のかけらだの、枯れた蘆(あし)きれだのが、一列にならんでゐて、前の水増しの時にどこまで水が上ったかもわかるのでした...
宮沢賢治 「イギリス海岸」
...ぐら/\沸いてゐる薬罐(やくわん)の湯を小桶(こをけ)に分けて職工達の食事をする場所々々に持つて行つたりするだけのことであつた...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...草書で仮名混じりの文体の日記がその所々には混ぜられてある...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いつもそうした交渉のある所々へ執筆を源氏は頼んだのであったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そのほかの所々へも読経(どきょう)をさせる使いをすぐに立てた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...所々の部落で余所(よそ)から来たものに可なりの補助をして遣る風俗になつてゐる...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...彼は秋蘭の足がただ所々擦(す)りむけて筋が捻(よじ)れただけにも拘らず...
横光利一 「上海」
...所々の藁屋根(わらやね)や森を除く以外...
吉川英治 「新書太閤記」
...所々に、杉や槙(まき)などの樹がぽつねんと孤立しているほか、野の視野は何里となく広かった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...所々の石垣や濠(ほり)や...
吉川英治 「宮本武蔵」
...所々の城から神父のもとに使を寄越したが...
和辻哲郎 「鎖国」
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