...たといそれ以前に渡ったものがあったにしてもそれよりおよそ八十年前の(伏姫が死んだ年の)長禄(ちょうろく)の二年に房州の田舎武士の金碗大輔がドコから鉄砲を手に入れたろう...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...岡野氏等は房州のやうな天国に松魚の捕(と)れない法はない筈だと...
薄田泣菫 「茶話」
...房州のやうな画家(ゑかき)の天国には...
薄田泣菫 「茶話」
...房州よりは、湘南(しょうなん)という方が、何か聞こえが明るいから両方同じくらいの程度に雷の尠いところなら、ようし逗子へ家を建てようと、私は考えた...
橘外男 「雷嫌いの話」
...房州あたりも、此頃は随分わるくなりましたからね...
田山録弥 「談片」
...殿様には房州で何か...
中里介山 「大菩薩峠」
...一日も早く房州へ引き上げてしまおう...
中里介山 「大菩薩峠」
...「房州は洲崎からおいでになりましたのでしょう」「ええ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここまで持って来たことでもわかります――どうかすると房州の女は力がある上に多情だというものがあるけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お船から」「お船はどちらから?」「房州の洲崎(すのさき)というところから」「ほうほう...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕たちは房州海岸の大きな岩の上にゐたが...
中村地平 「悪夢」
...牛込見附外の大場石見といふのは安祥(あんしやう)旗本の押しも押されもせぬ家柄ですが、房州の所領に、苛斂誅求(かれんちうきう)の訴へがあつた爲に、若年寄から東照宮の御墨附(おすみつき)――大場家の家寶ともいふべき品――を召上げられ、長い間留め置かれましたが、領地の騷ぎも納まつたので、一と先づ下げ渡されることになつたのはツイ昨日の事...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「お滝とやらに逢ってみたいが」「ヘエ――」専助に呼出された下女のお滝は、房州生れの十八、世間並みのよく肥(ふと)った娘でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...五日四晩、江戸から、房州、神奈川まで、下つ引と三人、夜の目も寢ずに搜(さが)した揚句――」「櫻屋の下女のお照が、お狩場(かりば)四郎の娘と判つたらう」平次の素破拔(すつぱぬ)きは、無造作で無技巧で、何んの氣取りもありませんが、それを聽いたガラツ八の驚きは大變でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...房州へ里にやられて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...七月八日には女師匠が房州から帰って...
森鴎外 「渋江抽斎」
...また房州(ぼうしゅう)にもそれがいくらもあった...
柳田国男 「母の手毬歌」
...その時に門の中に敷き詰めた房州石の上をどっしどっしと歩いて来る靴の音と...
夢野久作 「暗黒公使」
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