...罪の道伴(みちづ)れとなった不運の宗一の可憐な写真や薄命の遺子の無邪気に遊び戯れるのを見ては誰しも涙ぐまずにはいられなかった...
内田魯庵 「最後の大杉」
...彼らは猫(ねこ)が鼠(ねずみ)に戯れるように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...銀座で女に戯れるのは街頭で女に戯れるに等しい...
豊島与志雄 「風俗時評」
...一月あまりの間一晩も男に戯れる折がなかった...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...或いは飯盛に戯れる等の罪悪数うるに遑(いとま)がない...
中里介山 「大菩薩峠」
...薔薇の木に蠅が戯れるやうに...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...彼はこの連中と戯れるのだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...公爵は波に戯れる鴎の群れを眼で追いながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...何とも言へない思出となって舌端に戯れる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...少女に戯れる常習犯で前科六犯という豪の者のラピイア郡の一百姓なども混っていた...
牧逸馬 「双面獣」
...当時三歳の僕の幼児が「キヤッキヤッと群がる悪童と遊び戯れる」筈がない...
牧野信一 「S・I生へ」
...何か戯れるところが書いてある小説を読み――漸く中途まで我慢したが...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...牡丹(ぼたん)に戯れる連獅子(れんじし)の舞踊ででもあるかのように狭い部屋の中をグルグルと追い廻った...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...海の連中と他愛もなく笑ひ戯れることは厭でもなかつたが...
牧野信一 「渚」
...戯れるのであつた...
牧野信一 「山彦の街」
...仇(あだ)し男と戯れるところ……生んだばかりの私生児を圧殺するたまらなさ……嫁女(よめじょ)に濡衣(ぬれぎぬ)を着せて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...反耶の銅の剣(つるぎ)に戯れる鳩(はと)の頭のように微動するのが映っていた...
横光利一 「日輪」
...柔かな鳴海(なるみ)絞りの袂(たもと)を軽(かろ)く拡げて戯れる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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