...南風気を含んで風波が磯際の砂に戯れる音ばかりで他には依然として何の物音も聞えなかつた...
田中貢太郎 「海異志」
...女の笑い戯れる声がした...
田中貢太郎 「美女を盗む鬼神」
...子供と犬との戯れるのを眺めながら日を浴びているこの平和さ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...花に浮かれて戯れるのと大した違ひはないやうに見える...
谷崎潤一郎 「二月堂の夕」
...彼らは猫(ねこ)が鼠(ねずみ)に戯れるように...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...今ではもうコゼットも笑い戯れるようになっていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それに戯れる若者の様子を目撃しては...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...呼びかわして水浴に戯れる素裸の子供たちで一杯になっている――その時になって初めて彼は...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...戯れるやうに眼を視張つて彼女が顔を突き出した...
牧野信一 「鱗雲」
...当時三歳の僕の幼児が「キヤッキヤッと群がる悪童と遊び戯れる」筈がない...
牧野信一 「S・I生へ」
...牡丹(ぼたん)に戯れる連獅子(れんじし)の舞踊ででもあるかのように狭い部屋の中をグルグルと追い廻った...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...「僕が悪漢でねレデイに対して戯れるのだ...
牧野信一 「舞踏会余話」
...戯れるのであつた...
牧野信一 「山彦の街」
...空の杏の実に戯れる鳥のやうな童心に溢れてゐる...
横光利一 「詩集『花電車』序」
...どちらが正しく適中するかを競争したりしながら戯れるのを常とした...
横光利一 「馬車」
...何を戯れるのじゃ」「国舅(こっきゅう)...
吉川英治 「三国志」
...白々と戯れる雪の斑(ふ)が...
吉川英治 「私本太平記」
...余りいい男じゃありませんな」と戯れると...
吉川英治 「随筆 新平家」
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