...南風気を含んで風波が磯際の砂に戯れる音ばかりで他には依然として何の物音も聞えなかつた...
田中貢太郎 「海異志」
...銀の鱗を光らせながら汀の敷石に飛び上って怪獣の足元に戯れるのです...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...私と千代子とは、駆けたり、草の上に転がったり、水にはいったり、疲れると千代子は私におぶさり、笑い戯れる……...
豊島与志雄 「幻覚記」
...牛の群れが戯れるによく...
豊島与志雄 「湯元の秋」
...今ではもうコゼットも笑い戯れるようになっていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...或いは飯盛に戯れる等の罪悪数うるに遑(いとま)がない...
中里介山 「大菩薩峠」
...処女と戯れることもしましたねえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...公爵は波に戯れる鴎の群れを眼で追いながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...マスクを除つた看護婦たちが嬉々として戯れるさまを...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...お前の兄弟たちと遊び戯れることが出来た...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...戯れるやうに眼を視張つて彼女が顔を突き出した...
牧野信一 「鱗雲」
...何か戯れるところが書いてある小説を読み――漸く中途まで我慢したが...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...牡丹(ぼたん)に戯れる連獅子(れんじし)の舞踊ででもあるかのように狭い部屋の中をグルグルと追い廻った...
牧野信一 「吊籠と月光と」
...海の連中と他愛もなく笑ひ戯れることは厭でもなかつたが...
牧野信一 「渚」
...空の杏の実に戯れる鳥のやうな童心に溢れてゐる...
横光利一 「詩集『花電車』序」
...子供のやうな微風(そよかぜ)が衣桁(いかう)に掛けた友染(いうせん)の長い襦袢(じゆばん)に戯れる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...白々と戯れる雪の斑(ふ)が...
吉川英治 「私本太平記」
...余りいい男じゃありませんな」と戯れると...
吉川英治 「随筆 新平家」
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