...隣近所の人でも――ただ不思議な子供じみた戯れとよりそれを見ていないのだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...夫婦が蚊帳の中にあってそれを眺めながら睦言(むつごと)を交したと云う夜の戯れこそは...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...空には太陽と月のじれったい戯れがあるどうして此のわなの中からはい上ろうどうして此の荒縄を断ち切ろうどうして此の肉と心とのさかいを解易(やさし)く区別出来よう...
土谷麓 「呪咀」
...この文之丞が為すことがそちには戯れと見えるか...
中里介山 「大菩薩峠」
...戯れながら川原の中を進み行くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...戯れ遊ぶことだけでは我慢ができなくなりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...マスクを除つた看護婦たちが嬉々として戯れるさまを...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...林の中をちよこちよこ歩いたり急に駈け出したりして戯れてゐる仔犬を眺めてゐた...
北條民雄 「間木老人」
...」などゝ戯れたりしたことがある位ひ...
牧野信一 「東京駅にて感想」
...「僕が悪漢でねレデイに対して戯れるのだ...
牧野信一 「舞踏会余話」
...戯れに明王諸魔降伏(ごうぶく)の徳あって今一鼠を伏する能わずといった...
南方熊楠 「十二支考」
...こうして信頼をし合って暮らすのはいいことですね」戯れを言うのでもこの人に対してはまじめな調子にされてしまう源氏であった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私の心は珍しいことにときめく」ひたひたと寄り添ってこんな戯れを源氏は言うのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それがまたこの戯れの永(なが)く行われた面白味(おもしろみ)であったろうが...
柳田国男 「山の人生」
...戯れつ、唄ひつ、笑ひつ、心をたのしませて飮んでゐても、酒は、いつも眞劍勝負である...
吉川英治 「折々の記」
...予期もしない戯れの結果にせよ...
吉川英治 「私本太平記」
...その蚊帳のすそに戯れていた亀一(かめいち)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...戯れておるものを...
吉川英治 「新書太閤記」
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