...両者の別は截然たるものである...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...截然として謝絶することが出来たらその上(うえ)越(こ)すことはなかったのであるが...
高浜虚子 「子規居士と余」
...それを截然(せつぜん)と切り離して考えるということはむしろできがたいというのが本当なのです...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...また漫画とそれ以外の絵画との間に截然(せつぜん)たる区劃線を引く事も容易ではない...
寺田寅彦 「漫画と科学」
...……こういうふうに全編を通じて見て行っても芭蕉と野坡の「音色」の著しいちがいはどこまでも截然(せつぜん)と読者の心耳に響いて明瞭(めいりょう)に聞き分けられるであろう...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...公私の生涯に截然たる分界あるが故に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...截然(せつぜん)と区別がついたようだ...
夏目漱石 「坑夫」
...こう截然(せつぜん)たる区別はつけましたが...
夏目漱石 「創作家の態度」
...だからこの三作用を截然(せつぜん)と区別するのは全く便宜上(べんぎじょう)の抽象である...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...新しいものを仕立てる裁縫師との截然たる懸隔をその伎倆に示したものと...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...その間に截然たる相違点があって...
牧野富太郎 「カキツバタ一家言」
...このインゲンマメは上に述べたように截然二つに分ってよろしく別々に解説を付すべきものである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その間に截然(せつぜん)たる相違点が在って...
牧野富太郎 「植物記」
...素朴実在論から我々を出来る限り截然と区別するためである...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...ここに截然とたち切つて...
水野仙子 「嘘をつく日」
...何れも截然とした特色を持つ個々の性格として躍動してゐるのは敬服に値(あたひ)する...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...学問の生活と時務の要求とが截然(せつぜん)として二をなしている...
森鴎外 「渋江抽斎」
...今まで続いた密林と截然たる区劃を置いて其処には全部白々とした枯木の林立があった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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