...菊半截版などの無数の本になつて出て来るのです...
芥川龍之介 「河童」
...處々に抽(ぬ)け出でたる截石(きりいし)の將(まさ)に墜(おち)んとして僅に懸りたるさま...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...赤い木綿の截片(きれ)を頸に捲いて……...
石川啄木 「葬列」
...それを截然(せつぜん)と切り離して考えるということはむしろできがたいというのが本当なのです...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...できる事なら私の胸を截(た)ち割って...
太宰治 「走れメロス」
...君のやうに直截に物の掴める人は眞にうらやましい...
土田杏村 「風は草木にささやいた」
...その中から截断(せつだん)したカッティングをモンタージュにかけて立派なものを作ることも可能であろうが...
寺田寅彦 「映画芸術」
...公私の生涯に截然たる分界あるが故に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...気丈夫なる老婆が鎌を揮って死者の腹を截ち...
中山太郎 「屍体と民俗」
...そうした時間もたちまちサイレンの音で截(た)ち切られていた...
原民喜 「死のなかの風景」
...焦ぎ木のむらはなほあれば山の畑の雪消えて〔以下なし〕――――――――青年団が総出にてしだれ桜を截りしなり...
宮沢賢治 「開墾地」
...何でも上から指でよく押してみてこの辺が節だと思う処を肉切庖丁(にくきりぼうちょう)で截りますと節の処から楽に截れますが節でない処を截るとなかなか離れません...
村井弦斎 「食道楽」
...ビフテキは中が生焼(なまやけ)で截(き)ると血が出る位だから牛肉中に潜伏(せんぷく)する真田虫(さなだむし)の原虫がよく死なん...
村井弦斎 「食道楽」
...だがあの顔の相好、人が人間の内面的特質や我々の将来の運命を論証するときに根拠とするいわゆる人相にいたっては、簡単直截に、美醜の章の中に論じ去られるべきものでは確かにない...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...直截(ちょくさい)に云いますと過去のものにしなければならぬとさえ感じたのです」「大胆な舌を叩くではないか」宗兵衛の眼が絞るように細くなった...
山本周五郎 「新潮記」
...暑さを截(た)ち切るかのように蕭索(しょうさく)と横笛の音が聞えていた...
山本周五郎 「新潮記」
...虫の蝕(つ)いた古株を截(き)って...
吉川英治 「宮本武蔵」
...極度に断截された近代娘(モダンガール)たちが...
吉行エイスケ 「女百貨店」
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