...(求めずとも与えられる当然の悲しみや苦しみのほかにも)そこにそれらの人々を他の人々から截(き)り離す一すじの溝(みぞ)は掘られている...
芥川龍之介 「十本の針」
...その方向の上に截然たる對立を認めずにはゐられない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...蝋燭の心(しん)を截(き)るとき...
石川啄木 「詩」
...他の処では山脈が截り立つてゐてその一番高い部分が水平線の上に出て島になつてゐるのだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...静かに截(き)り開(ひら)いた...
海野十三 「空襲葬送曲」
...一は鍔の幅廣(はばひろ)き帽子をば後部にて縱に截り...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...彼らの截断性は、かの思索の凝滞と晦渋を貫いてであると思われる...
中井正一 「探偵小説の芸術性」
...章魚木(たこのき)の島で暮していた時戦争と文学とを可笑しい程截然と区別していたのは...
中島敦 「章魚木の下で」
...その大議論のあとを拝聴しよう」「今の人の自覚心と云うのは自己と他人の間に截然(せつぜん)たる利害の鴻溝(こうこう)があると云う事を知り過ぎていると云う事だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...その一枚を半分に截(き)ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...アンプルを截ろうとしたが...
原民喜 「遥かな旅」
...巣から落ちた岩燕の雛を巣へかえしてやるために截り立った崖を登ってゆく途中...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...汽車は截割(たちわ)ったように急な土手下を行くのだ...
二葉亭四迷 「平凡」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
...それで截(き)られそうに鋭いの...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...」断片は剪刀(はさみ)で截り取つたものである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...自分自身が截(き)り苛責(さい)なまれるような思いを肋骨(あばら)の空隙(くうげき)に感じた...
夢野久作 「戦場」
...虫の蝕(つ)いた古株を截(き)って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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