...戦きながらその言葉の威力の前に圧倒された...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...震え戦(おのの)きながらしかも信じ切っているそれらの身をささげたる女性、謙遜なるしかも尊大なるそれらの魂、既に閉ざされたる現世と未だ開かれざる天との間に待ちながら、あえて神秘の縁に住み、目に見えざる光明の方へ顔を向け、唯一の幸福としてはその光明のある場所を知っていると考えることであり、深淵と未知とを待ち望み、揺るぎなき暗黒の上に目を定め、ひざまずき、我を忘れ、震え戦き、永遠の深き息吹(いぶ)きによって時々に半ば援(たす)け起こされるそれらの女性よ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いま眼の前に出現した出来事の新鮮さに戦きながら...
原民喜 「夏の花」
...すると舞台では半裸体の少女が寒さうに戦きながら踊ってゐるのに気づいて...
原民喜 「虹」
...彼はガタガタ戦きだした...
原民喜 「雲雀病院」
...自分の母からの白々しい通信に滑稽な戦きを持つたりした...
牧野信一 「鏡地獄」
...無性に怖い戦きと...
牧野信一 「蔭ひなた」
...五体までがしびれるやうな冷たさともつかぬ奇体な戦きに襲はれた...
牧野信一 「心象風景」
...「虚栄市」に戦き...
牧野信一 「読書と生活」
...また間違へる不安に戦き...
牧野信一 「ファティアの花鬘」
...来る日/\に対して広漠たる戦きを覚えると同時に...
牧野信一 「附「歌へる日まで」」
...――泥棒だつて、嘘つきだつて、あの仕業さへ見つけ出されなければ、誰も悲しみを感ずる者はないのであるから、そして私自身だつて、そんな戦きは、その場限りで消えてしまふことなのであるから――結局、これは善行為と云ふべきであらう……ストア哲学を生活上の(芸術上ではなしに……)模範として遵奉してゐる私は、行為を健全と善に帰せしめなければ冒涜を覚ゆるのであつた...
牧野信一 「変装綺譚」
...いつも一概に他人(ひと)の嗤ひといふものに戦きを強ひられる傾向であつたが...
牧野信一 「武者窓日記」
...自分も一本草のように戦きながらそれ等を聴き感じ子供は久しく立っていた...
宮本百合子 「雨と子供」
...それが最後の夜となりさうなあはれな恐怖に戦きながら...
三好達治 「測量船」
......
森川義信 「冬の夜の歌」
...そこでは古きものどもが恐れ戦きながら何かから後ずさっている様子が描かれていたからだ――それが何か決して描かれることはなかったのだが――大河の中で見いだされたそれは...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...異形の姿の中で戦きつつ死ぬに任された...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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