...又我我の――或は諸君の幸福なる所以も兎に角彼等の死んでゐることである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...幸徳秋水(こうとくしゅうすい)も長い肺患の療養費を或る筋から給せられていたはずである...
内田魯庵 「最後の大杉」
...われむかし年わかくして今おいたれど義者のすてられ或はその裔(すえ)の糧(かて)こいあるくを見しことなし...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...が、或る日、どちらから云ひ出したともなく、母の着物を、例の註釈本の親方が金をくれる迄、一時質屋に入れて都合しようといふことになつた...
宇野浩二 「質屋の小僧」
...或いは実際と大いに違っているかも知れません...
海野十三 「省線電車の射撃手」
...ダカラ嫉妬ハ或ル意味ニオイテ必要デモアリ快感デモアル...
谷崎潤一郎 「鍵」
...或る一定の文化財の先験的な権利を明らかにし...
戸坂潤 「科学方法論」
...或いは一部分却って隆盛の故に...
戸坂潤 「思想としての文学」
...或いは超人間的な又は超宇宙的な従って又超時間的な秩序(そういう秩序は意味の世界に於てしかあり得ない)に於て問題にしたりしかしない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...或は貰い受けたものだとか...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...或は警察の者ではないかとも思えたが...
豊島与志雄 「微笑」
...或(ある)日(ひ)與吉(よきち)が行(い)つた時(とき)...
長塚節 「土」
...漸(や)っと或淋しい山寺に着いた...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...自分の或る卑しい心を覆ふために露骨な嘲笑をしたのです...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...不平を持つ間がなかつたから村人の間に或種の信用を拍してゐたのである...
牧野信一 「喜劇考」
...或る人において目ざましい出世の綱を...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...或る陽暮れ時、紀久子が二階の部屋へ行くと、兄は電灯のついていない薄暗い窓べりの籐椅子にのけぞっていた...
矢田津世子 「父」
...又或る時、父は自分が東京から冠(かぶ)って来た臘虎(らっこ)の頭巾(ずきん)帽子をお祖父様に差上げた...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
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