...或る日、その町長さんは大きな紙鳶(たこ)と綱の球をもつて、嵐の最中に、田舎へゆきました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...『或(あるい)はまた苦痛(くつう)を以(もっ)て自分(じぶん)を鍛練(たんれん)して...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...前者後者の本源なるか、或は反対に、後者前者の根本なるか、或はまた、両つながら別に共同の本源を有するか、俄かに之を判断し難しと雖も、両者の間に親縁的関係の存ずることは、之を想像するに難からず...
高木敏雄 「比較神話学」
...留置場で五六日を過して、或る日の真昼、俺はその留置場の窓から脊のびして外を覗くと、中庭は小春の日ざしを一杯に受けて、窓ちかくの三本の梨の木はいずれもほつほつと花をひらき、そのしたで巡査が二三十人して教練をやらされていた...
太宰治 「葉」
...或る日妙子が夙川へ行っている留守に...
谷崎潤一郎 「細雪」
...或る酒好老人がいつたことを思ひだした...
種田山頭火 「行乞記」
...」或る日編輯長がプラトンの事務室に...
オイゲン・チリコフ Evgenii Nikolaevich Chirikov 森林太郎訳 「板ばさみ」
...その発生期に於ては或る一つの問題によって動機づけられたのであり...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...或は誰かの拵えたものかも知れなかった...
豊島与志雄 「或る素描」
...焦慮の余り顔を伏せてる彼に対して、保子の眼は、或は揶揄するような、或は庇護するような、或は甘やかすような、或は探るような、或はしみじみとした温情の、その時折の色を浮べた...
豊島与志雄 「反抗」
...或る人(それは偉大なるハーバート・パトナム氏を指す)の影響をうけて動いているというべきである...
中井正一 「組織としての図書館へ」
...或ひは白浦(しろうら)...
中里介山 「大菩薩峠」
...父の死後に於ける母に対する子の或る苦しみに参つてゐた...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...前に月樵の名誉が揚(あが)らないといふた事について或人はわざわざ手紙をよこして...
正岡子規 「病牀六尺」
...或いは文法の規則を楯にとってことさらに彼の性格や習慣の中にあるのとは違った意味や信念をこじつけたりすることによって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...双方の両親が大騒ぎをして準備を整えている二月の末の或る夜の事...
夢野久作 「巡査辞職」
...或いはどうかすると真昼にも...
吉川英治 「江戸三国志」
...或る大計がもう立っていたものらしかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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