...我知らず襖(ふすま)一つ向うの...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...迫害と圧迫とを絶えずこうむったあのクロポトキンが温かき心をもってせよと教える心もちを思うと我知らず胸が迫ってきた...
芥川龍之介 「日光小品」
...我知らず石河岸の前を離れながら...
芥川龍之介 「妖婆」
...其或者は友人若しくは友人の妻として我知らず深くなり行く親しみに前世の因果の怪しく現在に働きかけて居ることを覺つて身慄ひする...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...我知らず顏が紅くなる...
石川啄木 「鳥影」
...――来ちゃいけないよ」と我知らず...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「梟の眼」
...我知らず失敗談よりも成功談が多くなる...
コナンドイル Conan Doyle 三上於莵吉訳 「黄色な顔」
...ふらふらと我知らず電車道を横ぎると...
豊島与志雄 「神棚」
...我知らず笑っている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼は我知らず話し出した...
豊島与志雄 「反抗」
...菜穂子はこんどは我知らず貪(むさぼ)るような眼つきで...
堀辰雄 「菜穂子」
...我知らずその痩せた手を彼女等の大きな腹の上に置いてゐる時には...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から」
...お芳は我知らずほゝゑむ時があつた...
水野仙子 「四十餘日」
...私も、其処のたたきにあるものを一目見ると、我知らず「まあ、どうなすったの?」と云った...
宮本百合子 「犬のはじまり」
...彼女が我知らず求めている生きている音楽...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そう云いながら洗面器の水で手拭をしぼろうとして洗面器のそとへ我知らず手をやっていたようなところを思いだします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「今はた同じ浪速なる」(身をつくしても逢はんとぞ思ふ)と我知らず口に出た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ルパンは我知らず婦人に近づいて...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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