...此の如き爲我慾が如何に人と人との間の和ぎを妨げ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...ドン・ホアンの美は彼が我慾を追ふ態度の狂熱と奔放と憂鬱とにある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...然るに世の多くの人々が、此美しい野をも山をも棄てゝ、宛(さな)がら「飛んで火に入る夏の虫」の如く、喧騒、雑踏、我慾、争乱の都会に走り来たるのは何故であらうか...
石川三四郎 「吾等の使命」
...我慾の強いものだと仰しゃるかも知れませんが...
オイレンベルク Herbert Eulenberg 森鴎外訳 「女の決闘」
...古河市兵衛の我慾...
大鹿卓 「渡良瀬川」
......
林不忘 「安重根」
...自我は我慾の結晶...
種田山頭火 「其中日記」
...六千年の人間の世にうごめく眼前の我慾凡俗の間の...
中里介山 「大菩薩峠」
...もつと我執をもて! 我慾を!排他的(エクスクルーシヴリイ)に一つの事に迷ひ込むことが唯一の救ひだ...
中島敦 「かめれおん日記」
...さう云(ゆ)つちや我慾(がよく)の樣(やう)だがおんなじもんなら軟(やつ)けえ言辭(ことば)でも掛(か)けてくれる嫁(よめ)でなくつちやねえ...
長塚節 「土」
...何も彼も掌に貯めこんでしまふ我慾さもうかゞへた...
林芙美子 「旅人」
...就(つ)きましては、彼の道場の近所に、新しく武道指南の標札が掲げたく、御持(おもち)地所を賜わらば辱(かたじ)けない仕合せでござりまする」「うむ、それも面白かろう――」と、三斎は肯首(うな)ずいて、「世間では、とかくこの三斎を、権勢家の、我慾者と、善(よ)からぬ噂を立て、不平不逞の浪人共、物の解らぬ直参旗本の尻押しで、ともすればわしの身に、危害を加えようとする企みもある由、――なに、彼等が、蠢動(しゅんどう)いたせばとて、びくびくいたす程の、小さな胆も持ち合せぬが、伜どもも、何かと、心痛し、身辺を警戒せよの、用心せよのと、うるさいことだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...おおむね我利我慾の徒たるは...
南方熊楠 「神社合祀に関する意見」
...我慾では無い...
三好十郎 「好日」
...我慾からのものでは無い...
三好十郎 「好日」
...我慾あるのみな鬼畜に...
吉川英治 「三国志」
...我慾一点と見られてもなるまい...
吉川英治 「新書太閤記」
...要するに差配の爺さんの我慾と狡猾とに我等は追はれたのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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