...我ながら滑稽(をかし)くなつて遂口に出して笑つて見る...
石川啄木 「病院の窓」
...我ながら沁みじみ振り返る心持になつた...
犬養健 「愚かな父」
...「げに耻(はず)かしや我ながら...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...我ながら可笑しな心地だった...
豊島与志雄 「神棚」
...彼女が果して私のためにポーズしてくれるだろうか? それを彼女の父親は許してくれるだろうか?私は自分の迂濶さに我ながら呆れてしまった...
豊島与志雄 「未来の天才」
...我ながら涙声になつてゐる...
中勘助 「銀の匙」
...後になって我ながら浅間しいと身顫(みぶる)いする事も幾度だか知れない...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...わたくしは我ながら意外なる追憶の情に打たれざるを得ない...
永井荷風 「寺じまの記」
...思へば我ながら浅ましく悲惨なものはない...
永井壮吉 「冬日の窓」
...我ながらの失敗に...
中里介山 「大菩薩峠」
...我ながら激昂することもあれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...つむじが意地を巻いて心頭に上って来たが、やっぱり挨拶の都合上で、「して、その財布の金はありましたか」と駄目を押したが、我ながら、これは甚(はなは)だまずい、まずいだけではない、この場合、さもしく響く挨拶だと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...我ながらいささか呆れ返っているが...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...そして我ながら自分の思ひ付に感心した...
萩原朔太郎 「宿命」
...(酒造家の方へ行きかけ)我ながら旅ずれがしてきたかと思いながら...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...是だけは我ながら一生の出来だったと思う...
二葉亭四迷 「平凡」
...眠らんとするにゆかしき香氣(にほひ)紛々(ふん/\)と鼻を撲ちて我ながら夢とも幻とも分かず...
正岡子規 「花枕」
...我ながら矛盾した行為だ」という言葉のうちに...
和辻哲郎 「藤村の個性」
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