...畢竟馬の耳に念仏なりしは我ながら哀れなりと言わざるべからず...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...我ながら憐れと思う自分自身に帰って行くのだ...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...我ながら滑稽(をかし)くなつて遂口に出して笑つて見る...
石川啄木 「病院の窓」
...退社といふ辭が我ながらムカムカしてる胸に冷水を浴せた樣に心に響いた...
石川啄木 「病院の窓」
...我ながら死して栄(はえ)ある身の...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...」と我ながら猿のような声して笑って...
泉鏡花 「浮舟」
...……天秤かついだ己(うぬ)が形(なり)が、何でございますかね、天狗様の下男が清水を汲みに山一つ彼方(あなた)へといった体(てい)で、我ながら、余り世間離れがした心細さに、(ほっ、)と云ったが、声も、ふやける...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...自分の今日の奮鬪は我ながら意想外であつたと思ふにつけ...
伊藤左千夫 「水害雜録」
...我ながら凡夫の身なる哉...
大町桂月 「月の東京灣」
...茫然として行衞も知らぬ通路(かよひぢ)を我ながら踏み迷へる思して...
高山樗牛 「瀧口入道」
...深さは我ながら程知らず...
高山樗牛 「瀧口入道」
...我ながら浅ましく思われた...
徳田秋声 「新世帯」
...我ながら浅ましく又恐ろしく思つた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...実に我ながら意想外だ...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...この時吾輩は我ながら...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...――兄はそんな悪いことの出来る人ではないのです」「でも動かぬ証拠がありますよ」平次は我ながら気のきかない事を言ったと思いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...留守の正二に向って迸る自分の激情に我ながら足をとられなくなり...
「今朝の雪」
...我ながら憎くなるほど落ちつきが出てしまい...
横光利一 「旅愁」
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