...あの接吻こそやがて女のすべてを我が物にする...
モオパッサン 秋田滋訳 「ある自殺者の手記」
...己と釣合いて空際に浮ばずまたアムフィトリートの腕は未だ我が物と遠く広がる国々の果てを抱かざりき...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...今でこそ写楽々々と猫も杓子(しゃくし)も我が物顔に感嘆するが...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...貴様が我が物顔に振舞っているのが...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...武家義理物語の中の「我が物ゆゑに裸川」の題材を拝借して...
太宰治 「新釈諸国噺」
...我が物ゆゑに裸川)義理義理のために死を致す事...
太宰治 「新釈諸国噺」
...群集の流れを我が物にして望みどおりにそれを導く...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...今は複雑なる構成体の一要素として自我が物に働きかける...
中井正一 「物理的集団的性格」
...いわば自我が物に融合する根本的契機の心理学的演繹である...
中井正一 「レンズとフィルム」
...あらゆる羨望を負いながらお市の方を我が物としたけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...留守の御殿を我が物顔にとび廻るようになった...
中谷宇吉郎 「御殿の生活」
...この高尚なる心も我が物となすことができると思う...
新渡戸稲造 「自警録」
...ここへ入って銭箱の蓋(ふた)をあけ我が物顔に小判を眺めて喜んでいたから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...支店長代理はすべて我が物としてしまうことをなんと心得ていたことか! しかしKは...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...静かに今や幾らか我が物とさえ思える綺麗な閨房の中に坐っていると...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...共通の思想を我が物顔に取り入れたりはしなかつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...客観を我が物とすることによって真に独立になったものが主体である...
三木清 「哲学入門」
...客観を我が物とすることによって思惟は真に自律的になることができる...
三木清 「哲学入門」
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