...成算(せいさん)がなくて...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...さて売り退いても何処で何を始めようと云う成算がない...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...無計画に初まったこの家庭生活はどこまでも無成算で...
徳田秋声 「仮装人物」
...幻影を外にして成算あるものでなくなって来た...
戸坂潤 「技術の哲学」
...あれの将来を見て行く成算がわしには立たない...
中里介山 「大菩薩峠」
...また流しから這い上るときはこれを迎うる成算もあるが...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...俺にはちゃんと成算があるんだよ」「本当か」「本当にも嘘にも...
野村胡堂 「女記者の役割」
...お北さんの敵を討つてやるよ」「――」どんな成算が平次にあるのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...明日は多分判るだらう」平次は何やら成算があるらしく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...てんで成算もなかつたが...
原民喜 「氷花」
...舟で下れば一息だ」「どこにその舟がある?」「心配しなさんな」と彼は成算のあるように大きく頷(うなず)いた...
本庄陸男 「石狩川」
...夫のために残しうる成算があるであろうか...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...むろん明日来たって明後日(あさって)来たって成算の立ちっこない難物ばかりだが...
夢野久作 「近世快人伝」
...その成算のない企てである事を説いた...
吉川英治 「大谷刑部」
...関羽は何事かもう勝戦の成算が立ったもののように...
吉川英治 「三国志」
...成算(せいさん)があるか」「あてはございませんが...
吉川英治 「神州天馬侠」
...腹など切らせとうない――といったようなお顔いろであった」「三日といってしもうたのでな……」「成算は...
吉川英治 「新書太閤記」
...そちはそれ程な成算をもちながら...
吉川英治 「新書太閤記」
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