...同胞(きやうだい)が成人するにつれて幾分なりとも互ひに遠々しくなるやうな事があつては自分が済まないといふ妙に律気(りちぎ)な心持があつた...
犬養健 「朧夜」
...丈五郎は成人するまでの...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...成人すると、彼はどうしたきっかけでか、この岩屋島へ渡ったが、丁度その頃樋口家の世継ぎ、つまり丈五郎の異母兄に当る人が、美しい妻と生れた許りの女の子を残して死んでしまった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...父がそれをわたくしに話してくれましたのはまいとし十五夜の晩にその堤をあるきながら子供にこんなことをいってきかせても分るまいけれどもいまにお前も成人するときがくるのだからよく己(おれ)のいったことをおぼえていてそのときになっておもい出してみてくれ...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...妹たちがようよう成人する頃には...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼女が成人する時分にはもう歌舞伎劇の伝統なども崩(くず)れてしまうかも知れないから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...成人するまで親に添う人の子多く候ものを...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...すくすくと成人するのを見たからである...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...あの子の成人するばかりが楽しみでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...さはれ成人するに及びて...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...私の成人する頃には益さんももう宅(うち)へ来なくなった...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...貴方の成人するのを...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...「俺が成人するまでといふ約束だつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「俺が成人するまでという約束だった...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...若旦那徳太郎の成人するのを見て來たお米に取つては...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私がだんだん成人するとともに...
穂積重遠 「法窓夜話」
...毎年成人する人間に職業と食物を与えるには足りない...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...母と一所(いつしよ)にしたその旅の記憶をおまへの成人するにつれておまへの叡智が思ひ出すであらう...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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