...相成るべくは明日の朝下山したいと云う希望を述べた...
芥川龍之介 「長江游記」
...此方は、成るべく、彼を愕かさじと、徐々と、一尺引き五寸引き、次第に引き寄せしが、船前六尺ばかりにて、がばと水を扇(あお)りて躍り、綸の張り卒然失せぬ...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...成るべく履物を後先(あとさき)へ...
薄田泣菫 「茶話」
...これを読む読者も成るべくなら他人(ひと)に聞えないやうにそつと読んで貰ひたい...
薄田泣菫 「茶話」
...成るべく側(そば)にゐて留(と)め立(だて)して欲しいといふ事なのだ...
薄田泣菫 「茶話」
...僕の方の原稿料は成るべく安くまけて貰ひたいもんですね...
薄田泣菫 「茶話」
...仔が生れると成るべく早く貰ひ手を捜して分けてしまひ...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...成るべく冷静な態度を装(よそほ)つてこの気の変になつたドイツ人に道理を説いて聞かせた...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...成るべく現代的優越の感を抱いていないように見える運転手を捜さなければならない...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...成るべく重量を減らしてもらった...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...且つ都合のわるいことは成るべく云はない様にして置く...
夏目漱石 「それから」
...成るべく都合して...
夏目漱石 「それから」
...理論といふものは成るべく単純な程よい...
平林初之輔 「文学の本質について(一)」
...因て成るべく端折って記せば暫時の御辛抱を願うになん...
二葉亭四迷 「小説総論」
...今話を成るべく古い方へ持つて行くことに努めてゐた...
牧野信一 「鏡地獄」
...彼の書斎の異様な飾りつけにも成るべく好奇の眼を放たないやうに努めた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...私は成るべく来て下さいとは云はないのである...
横光利一 「汚ない家」
...私は成るべく外を見ない様にして居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
便利!手書き漢字入力検索