...4自分にとつては、歡樂も戀愛も、現實そのまゝの――換言すれば單純に現實的な立脚地から見た――姿に於いては凡て空しかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...我は一生を此戀に委(ゆだ)ぬとも可なり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...しかし、それでこの世の生活が淋しくはないですか?」「しかし、わたしは、戀はしました...
石川三四郎 「浪」
...老も若きも戀の歌を歌つてゐる此境地から...
石川啄木 「鳥影」
...あの自分よりも年上の戀人だツて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...(歌謠番號八八)かれ後にまた戀慕(しのひ)に堪へかねて...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...額(ぬか)白(しろ)かりし上(じやうらふ)の戀のうらみに世をすてし今はのきはのかたみとや...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...性質(こゝろ)にもあらで形容邊幅(けいようへんぷく)に心を惱(なや)めたりしも戀の爲なりき...
高山樗牛 「瀧口入道」
...やつぱり戀は向うの相手の如何だと思ふ...
田山花袋 「道綱の母」
...それにもました戀の苦しみがあるではないかかの女は次第にその身の悶えをあたりの人達に比べるやうになつた...
田山花袋 「道綱の母」
...ベン戀(こひ)と睨(にら)んだ時(とき)に...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...彼女(あれ)が戀(こひ)はせぬと誓(ちか)うたゝめ...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...ボレアリス」――――――――月と戀寢覺め夜深き窓の外しばし雲間を洩れいでゝ靜かに忍ぶ影見れば月は戀にも似たりけり...
土井晩翠 「天地有情」
...平次の戀女房から世話女房になりきつたお靜ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どんな話をしました――色戀の逢引ではなかつたと思ふが」「でも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ながれるごとき涙にぬれ私はくちびるに血潮をぬるああ なにといふ戀しさなるぞこの青ざめた死靈にすがりつきてもてあそぶ夜風にふかれ猫柳のかげを暗くさまよふよ そは墓場のやさしい歌ごゑです...
萩原朔太郎 「青猫」
...光り蟲しげく跳びかへる夜の海の青き面をや眺むらむあてなき瞳遠く放たれ息らひたまふ君が側へに寄りそへるに浪はやさしくさしきたりまたひき去る浪遠き渚に海月のひもはうちふるへ月しらみわたる夜なれや言葉なくふたりさしより涙ぐましき露臺の椅子にうち向ふこのにほふ潮風にしばなく鴎鱗光の青きに水流れ散りてやまずせかれぬ戀魚の身ともなりぬれば今こそわが手ひらかれ手はかたくあふるるものを押へたり...
萩原朔太郎 「歡魚夜曲」
...崇拜して居る間は誠に歌といふものは優美にて古今集は殊に其粹を拔きたる者とのみ存候ひしも三年の戀一朝にさめて見ればあんな意氣地の無い女に今迄ばかされて居つた事かとくやしくも腹立たしく相成候...
正岡子規 「歌よみに與ふる書」
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