...それが常に現實の上に懸る力として...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...三尺なるが懸る故に逸(ば)らすなり...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...』『何れお目に懸る機会も有るだらうと思つてましたが...
石川啄木 「鳥影」
...『矢張気に懸るわね...
石川啄木 「鳥影」
...一本の大綱の橋が懸る...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...まず少くとも二分は懸るでしょうね...
海野十三 「蠅男」
...その底一落し、乙字形を成して、瀧之に懸る...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...その為(た)めに余計な入費も懸るし...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...また上二番町辺樹木谷(かみにばんちょうへんじゅもくだに)へ下(おり)る坂の如きは下弦の月鎌の如く樹頭に懸る冬の夜(よ)...
永井荷風 「日和下駄」
...懸るものはなおさらふわふわする...
夏目漱石 「虞美人草」
...男は外出(そとで)がちなればいささか心に懸るまじけれど女心には遣る瀬のなきほど切なく悲しく...
樋口一葉 「にごりえ」
...醫者の方にても預りたる病人は兎角心に懸るゆへ...
福澤諭吉 「養生の心得」
...斯んな憎態な奴のことがどうしてそんなに気に懸るのだらう...
牧野信一 「妄想患者」
...『乱脛三本鑓(みだれはぎさんぼんやり)』に「下女を篠山に下し心に懸る山の神なく」とあると無署名で書いたは卓説だ...
南方熊楠 「十二支考」
...ごくもんに懸るかしばりて腹をいんと思えども...
南方熊楠 「十二支考」
...引ッ懸るんだというから面白いや」「ひどい野郎だな」みんなが笑うのに釣込(つりこ)まれて...
吉川英治 「醤油仏」
...畏れを知らぬか」「高望王の尊像に」「さきの良持公の前に」「射るや、矢を」「懸るや、不敵に」「畏れろ、将門っ」と、相手の耳もつんぼにしてしまおうと計ってでもいるように、喚(おめ)き囃(はや)した...
吉川英治 「平の将門」
...投げられた餌へ痩せ犬の群れが懸るように...
吉川英治 「平の将門」
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