...俺は地獄と煉獄との間に懸る自分の魂に...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...三尺なるが懸る故に逸(ば)らすなり...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...『矢張り氣に懸るわね...
石川啄木 「鳥影」
...今や自分が気に懸るのは天気ばかりであった...
岩野泡鳴 「猫八」
...よほどの手間と費用が懸るのであきらめるより外はなかった...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...こんなに手数が懸るものとは知らなかつたが...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...由て暇あるせつは學問して時を費さぬよう心懸る故に...
福澤諭吉 「養生の心得」
...シシババの世話をしてくれた現在の親に喰ッて懸るという者(もん)が有るもんですかネ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...どうも気に懸る、お勢の事が気に懸る...
二葉亭四迷 「浮雲」
...堕落なんぞと思われては心外だと喰って懸ると...
二葉亭四迷 「平凡」
...死ぬか――待ってみるか? 何を? 助かるのを? 死ぬのを? 敵が来て傷(て)を負ったおれの足の皮剥(かわはぎ)に懸るを待ってみるのか? それよりも寧(いっ)そ我手で一思(ひとおもい)に……でないことさ...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...三条……と次々に綱は枝に懸ると見ると...
牧野信一 「酒盗人」
...他の部分に凭り懸るとしても...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...ごくもんに懸るかしばりて腹をいんと思えども...
南方熊楠 「十二支考」
...勢い預諸(よしょ)の密網に懸るとばかり言えりといったので...
南方熊楠 「十二支考」
...ルマニアの古い唄に大工棟梁マヌリ或る建築に取懸る前夜夢の告げに其成就を欲せば明朝一番に其場へ來る女を人柱にせよと...
南方熊楠 「人柱の話」
...一事に取り懸ると...
吉川英治 「新書太閤記」
...心に懸ることもない...
吉川英治 「日本名婦伝」
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