...其上から汚い水などを引懸けて...
會津八一 「支那の明器」
...眞正のドン・ホアンの品位の懸絶は此處に基くのではないだらうか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...急いで靴を磨いて出懸けた...
石川啄木 「葉書」
...だれでもぜひ一所懸命になってこれに全精神を傾倒(けいとう)せねばだめであるとはいわない...
伊藤左千夫 「去年」
...また潜水艦や潜水夫までがでて海の中を一生懸命にさがしましたが...
海野十三 「怪塔王」
...わたくしの身体が――と聞きたいのを懸命に我慢した...
海野十三 「第四次元の男」
...一滴の水に彼の生命は懸つてゐたのである...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...なんだか大変な話と云うのが気にも懸るので...
妹尾韶夫 「凍るアラベスク」
...一生懸命に舞台の妙子を見上げている独逸の少年の肩を叩(たた)いた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...物を言懸ければ聞えぬ風(ふり)をする事も有り...
二葉亭四迷 「浮雲」
...私の別天地は譬(たと)えば塗盆(ぬりぼん)へ吹懸(ふきか)けた息気(いき)のような物だ...
二葉亭四迷 「平凡」
...それが解らないなりにそのとき私の氣持からはあまりに懸け離れてゐるもののやうに私に思ひなされたところのその詩は...
堀辰雄 「旅の繪」
...さつきの若い男が下手糞な英語で一所懸命に説明してゐた言葉のなかに the violin is broken といふ言葉があつたのをふと思ひ出してゐた...
堀辰雄 「四葉の苜蓿」
...年末ごとに改めて新しいのを門に懸けた桃木製の人形らしく...
南方熊楠 「十二支考」
...ただ一生懸命に故大人(こたいじん)の御気げんをとろうというところから...
三宅花圃 「藪の鶯」
...傍へ行って見たら一生懸命に仕事に使う大きな斧(おの)を磨(と)いでいた...
柳田国男 「山の人生」
...拙者は知らんぞ」道之進は懸命に...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...「いざっ」すさまじい懸声(かけごえ)を虚空から浴びせた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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