...他郷にあつて幾十年頭に描いてゐた懷かしい思ひ出の夢は消えて...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...余はポツケツトに懷中電燈を入れ...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...まだ徹底した懷疑論者では無い...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...お品(しな)は二匹(にひき)へ手(て)をつけて箸(はし)を置(お)きながら懷(ふところ)で眠(ねむ)つて居(ゐ)る與吉(よきち)を覗(のぞ)いて「起(お)きて居(ゐ)たら大騷(おほさわ)ぎだんべ」といつた...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)は異常(いじやう)な勞働(らうどう)によつて報酬(はうしう)を得(え)ようとする一方(ぱう)に一錢(せん)と雖(いへど)も容易(ようい)に其(そ)の懷(ふところ)を減(げん)じまいとのみ心懸(こゝろが)けて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...失望(しつばう)と不滿足(ふまんぞく)を心(こゝろ)に懷(いだ)きはじめた...
長塚節 「土」
...妊婦にその胎兒を懷かせ(土地によつては妊婦と胎兒を後ろ合せにする處もあるが...
中山太郎 「安達ヶ原の鬼婆々異考」
...自分の懷ろを肥(こや)して居たのを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...懷の十手なんか突つ張らかして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...長刀(なぎなた)になつた麻裏を懷ろに捻(ね)ぢ込んで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...懷紙の中で二つに割りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...死骸の懷中には、腹卷に突つ込んで、匕首(あひくち)が一と口(ふり)、肌守りと煙草入と、その煙草入の中に、小粒が三つ四つ、外には持ち物もなく、素より誰がこんな恐ろしいことをやつたのか、手掛りらしいものは一つもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...懷紙を出して強く拭くと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...懷(ふところ)具合まで訊いて廻りましたが」「懷具合は餘計だ」「主人の八郎兵衞はお人好しの上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...懷中(ふところ)が温かくて生活(くらし)に不自由しないんだから幸福ですわね...
正宗白鳥 「水不足」
...懷疑家の表情は澁面ばかりではない...
三木清 「人生論ノート」
...懷疑と感傷とを區別しなければならぬ...
三木清 「哲學はどう學んでゆくか」
...いつも懷しい風景をひろげて見せてゐた...
室生犀星 「京洛日記」
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