...醜聞さへ起し得ない俗人たちはあらゆる名士の醜聞の中に彼等の怯懦(けふだ)を弁解する好個の武器を見出すのである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...勇敢と怯懦(きょうだ)...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...全く群衆の怯懦と怠慢と絶対服従とに起因してゐるのである...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...あれは持ち前の異性に対する怯懦(きょうだ)と羞耻心(しゅうちしん)とがさせたことで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...『ああ懦弱なるメネラオス...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...将来兵士となるの見込みなき懦弱(だじゃく)なる小児はこれを屠(ほふ)るも可なり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...懦夫(だふ)をして起たしむるにあらずや...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...当今の懦弱(だじゃく)な...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...無数の怯懦(きょうだ)と安慰...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...此上もなく懦弱で臆病で艶麗な王の命令で神通蛮勇の猿が悪魔と戦ふ……それが為に悪魔に斃されてしまつても...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...怯懦(けふだ)のものは其人を畏(おそ)れ憚(はゞか)り...
森鴎外 「栗山大膳」
...性来の懦夫(だふ)も起たざるを得ぬではないか...
吉川英治 「三国志」
...「何たる懦弱(だじゃく)さ」「書生論の兵学だ...
吉川英治 「三国志」
...民の中に懦民(だみん)怯民(きょうみん)を...
吉川英治 「新書太閤記」
...それを為し得なかったのもまた為政者の精神的怯懦の故である...
和辻哲郎 「鎖国」
...それゆえに私は真の勇気を怯懦と感じ...
和辻哲郎 「転向」
...しかしこの怯懦は相手があたかも良心のごとく...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
...」それは先生の前に怯懦を去った時直(ただ)ちにわかったことであった...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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