...醜聞さえ起し得ない俗人たちはあらゆる名士の醜聞の中に彼等の怯懦(きょうだ)を弁解する好個の武器を見出すのである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...犯罪前のあの微妙な変則的な心理の働き――謂(いわ)ば怯懦(きょうだ)に近い...
大阪圭吉 「花束の虫」
...当初の剛健勇武なる民は国を挙げて文雅懦弱(だじゃく)な国民となり...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...肉体的にも彼は無気力で懦弱で老人臭い...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...」主婦(あるじ)は楊枝を啣(くわ)えて帳場の方へ上り込んで来る書生の懦弱(だじゃく)な様子を見ると...
徳田秋声 「足迹」
...クリストフはそういう一般の怯懦(きょうだ)を笑っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして怯懦は遂に真の自由をも建設をも知らずに終るであろう...
豊島与志雄 「文学精神は言う」
...この際の怯懦は文学を...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...これも無智と怯懦な畏怖心から起ったことだが...
久生十蘭 「海難記」
...此上もなく懦弱で臆病で艶麗な王の命令で神通蛮勇の猿が悪魔と戦ふ……それが為に悪魔に斃されてしまつても...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...怯懦(きょうだ)と内心のあやふやとに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...モロッコのマグラ市近き野に獅が多いが極めて怯懦(きょうだ)で...
南方熊楠 「十二支考」
...怯懦(けふだ)のものは其人を畏(おそ)れ憚(はゞか)り...
森鴎外 「栗山大膳」
...懦弱な輩のすぐ口にする口実です...
吉川英治 「三国志」
...「懦夫(だふ)! 何を迷う」と...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それを為し得なかったのもまた為政者の精神的怯懦の故である...
和辻哲郎 「鎖国」
...あるいはまた怯懦(きょうだ)な知識階級の特色としての現実逃避であるとも見られるであろう...
和辻哲郎 「『青丘雑記』を読む」
...それはおそらく自分の怯懦(きょうだ)から出るのであろう...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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