...何となく除者(のけもの)にされた人の憤懣(いきどほり)が...
池宮城積宝 「奥間巡査」
...不埒至極の者共であると思う」と簡潔な一語に満腔の憤懣をもらしたのち...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...子供じみた忿懣(ふんまん)を洩(も)らすのだと思って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...子供心にもごまかしの不正商品に対して小さな憤懣(ふんまん)を感じるということの入用をしたわけである...
寺田寅彦 「柿の種」
...この老人のやるせなき不平と堪え難き憤懣(ふんまん)を傍観していた自分は...
寺田寅彦 「三斜晶系」
...志士憤懣の発する所は...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...コリーヌが手当たりしだいの人に浴びせかけてる揶揄(やゆ)にたいする憤懣(ふんまん)も...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...初めの憤懣(ふんまん)の情が過ぎ去ると...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...押え切れない憤懣(ふんまん)を観て取ったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...憤懣(ふんまん)の思いを誰れに洩(もら)すよりは...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...どこかはっきりしない憤懣(ふんまん)を心の底に感ずるのであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...彼は無断侵入が真に憤懣(ふんまん)に耐えぬようすで「貴様なんだ」と叱した...
久生十蘭 「黒い手帳」
...限りない憤懣の念を感じた...
久生十蘭 「魔都」
...如何に彼が憤懣に堪へ無いでゐるかは推測する事が出來た...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...その顔面筋肉には何ともいえない焦燥(いらだ)たしい憤懣の色が動揺するのを私は見逃さなかった...
夢野久作 「戦場」
...憤懣(ふんまん)を内にふくんで...
吉川英治 「三国志」
...そうお怒りにならないでも……」一徹な忿懣(ふんまん)の前には...
吉川英治 「私本太平記」
...どういうわけでの?」勝家は内心の忿懣(ふんまん)を抑えながらなじった...
吉川英治 「新書太閤記」
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