...懐しい信行寺(しんぎょうじ)の門前へやって来ました...
芥川龍之介 「捨児」
...懐しい――というほどでもないが...
海野十三 「深夜の市長」
...私は横になって故郷と懐しい「ベンボー提督(アドミラル・ベンボー)屋」とを夢にみた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...皆懐しい女房であった...
田中貢太郎 「月光の下」
...停まるが早いか駅々から故国にほんへ懐しい便りを投ずる...
谷譲次 「踊る地平線」
...そして懐しい日東帝国に帰つたのは同年十一月です...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...懐しい親子が待っているように思われてならぬわい」「御尤(ごもっと)もでございます...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの懐しい人たちとも会えるのかと思うと...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...われわれはその一つ一つの懐しい波頭を見失うまいと努力する...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...懐しいものに廻り会ったように...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...浜名の橋といふ平安の昔懐しい名所の橋だからそんな気がするのだらうか...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...夜が明けさへすれば五年目に会ふ懐しい家庭へ行くことが出来るのだ...
牧野信一 「やぶ入の前夜」
...いっそ大川へ浴衣がけで飛び込んだ江戸の昔が懐しいや...
正岡容 「圓朝花火」
...楽しい懐しい回顧も少なくない...
正宗白鳥 「幼少の思ひ出」
...切りと綾さんのことを思出してゐた其の時分のことが懐しいやうにも思ツた...
三島霜川 「昔の女」
...少し乱れた髪をそのままにして部屋着の袿姿(うちかけすがた)で笛を懐しい音(ね)に吹きながら座敷をのぞくと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...色の食い込みは紙魚(しみ)のある一帖の古本(こほん)のように懐しいものである...
室生犀星 「庭をつくる人」
...やはり日本は懐しい思い出の国です...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索