...何も其日暮しの心配をするには当らぬと云ふ意味の事を懇々と説き聞かされた...
石川啄木 「菊池君」
...命令書の各条項について政府の意のあるところを懇々と説いたあとで...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...女ではいつどんな目に遭うか判りません」章は自個の経験している狼の恐ろしいことを懇々と説き聞かせた...
田中貢太郎 「狼の怪」
...懇々と諭(さと)して見たら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...父親は懇々として説いた...
田山花袋 「蒲団」
...支那の不心得を懇々と説いたと新聞は報道している...
戸坂潤 「社会時評」
...支那の不心得を懇々と説いたと新聞は報道している...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...懇々と止めましたの...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...懇々と注意を与えてやった...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...あとで詫びに来たら懇々と説諭してやるつもりでいたところ...
豊島与志雄 「三つの悲憤」
...懇々と言い聞かせ...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...懇々と説明して帰りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...身まねを以て彼等に懇々と理解を説いているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...持戒破戒等の区別があるべきものでないということを懇々と諭されている...
中里介山 「法然行伝」
...御来診のお礼には、もう、資産の許すだけのことは必ずいたしますから……」「いや、手前はけっして、」と医者は、高くもなければ低くもない、が、懇々とした、非常に粘りづよい声で言った...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...自らほうぼうの席亭へ出向いていって、菓子折など差し出し、懇々と頼んだが、「ハイハイ分りました、恐れ入ります」とか、「ハイハイいずれそのうち時期を見まして」とか、みんながみんな判で押したように煮え切らない返事をするばかりだった...
正岡容 「小説 圓朝」
...昨日も僕の帰りを待っていて懇々と僕に頼んだよ」と親しき仲とて言葉に飾りなし...
村井弦斎 「食道楽」
...それからも沢庵がむかしの友達に返って、懇々と、彼女のさしてゆく人生の危険であることと、女性の幸福がそこばかりにないことを説くのであったが、お通の今の心をうごかすには足らなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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