...懇々そなたの行末をお頼みになった...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...女ではいつどんな目に遭うか判りません」章は自個の経験している狼の恐ろしいことを懇々と説き聞かせた...
田中貢太郎 「狼の怪」
...と懇々説諭されて...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...支那の不心得を懇々と説いたと新聞は報道している...
戸坂潤 「社会時評」
...懇々と止めましたの...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あとで詫びに来たら懇々と説諭してやるつもりでいたところ...
豊島与志雄 「三つの悲憤」
...懇々と説明して帰りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...持戒破戒等の区別があるべきものでないということを懇々と諭されている...
中里介山 「法然行伝」
...聊カ懇々ノ襟懐ヲ陳ズ...
成島柳北 「祭舌文」
...仲間と思はれても仕方があるまい」平次は懇々(こん/\)と事をわけて話しますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...懇々(こんこん)と将来を戒(いまし)められて放免されたのは夕方の六時ごろ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...余輩の懇々(こんこん)企望(きぼう)するところなり...
福沢諭吉 「旧藩情」
...ソレを懇々(こんこん)と説くけれども...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...お父上から懇々(こんこん)申しつけられたとおりを守って上杉家の出来事...
吉川英治 「上杉謙信」
...九真偽(しんぎ)のほどは分らないが、生兵法(なまびょうほう)の秀忠が、夜ごと、城外へ出て、黒衣覆面し、無辜(むこ)の往来人を辻斬して、ひそかに楽しむというのを聞き、忠明が、わざと彼の徘徊(はいかい)する濠端に夜行し、その斬って出(いず)るや、児戯(じぎ)をあしらう如く脚下にねじ伏せ、懇々、これを懲(こら)して放したというような話すら遺(のこ)っているほどである...
吉川英治 「剣の四君子」
...お帰りなさらぬ覚悟ですか」「帰りませぬ」「しかし……」懇々(こんこん)と...
吉川英治 「親鸞」
...てめえも真人間になれと懇々(こんこん)いわれたので...
吉川英治 「親鸞」
...長藩の若い将校は、懇々と、なおも何か厳命して、金子(きんす)三両を駕屋に預けた...
吉川英治 「松のや露八」
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