...慇懃(いんぎん)に会釈をした...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...慇懃(いんぎん)にこう言葉を継(つ)いだ...
芥川龍之介 「疑惑」
...内田氏は内田氏で極(きま)り悪さうにもぢ/\しながら例(いつも)の慇懃(いんぎん)な口風(くちぶり)で言つた...
薄田泣菫 「茶話」
...「實際あのひとの慇懃鄭重は...
太宰治 「知らない人」
...それからは頗る慇懃(いんぎん)に待遇した...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...然れどもアガメムノーン權勢の彼れ慇懃の計らひを我に加ふることあらば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...むしろ慇懃(いんぎん)な態度だったのです...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...しかし母はいかにも慇懃(いんぎん)な様子で御主人に笑顔を見せていたので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...わざとらしい慇懃(いんぎん)さで話しかけた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...同時に慇懃にその演奏を賞讃するのでした...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...竜之助には改めて慇懃(いんぎん)にお辞儀をして...
中里介山 「大菩薩峠」
...遅刻致(いた)しましたと慇懃(いんぎん)に狸(たぬき)に挨拶(あいさつ)をした...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...ちょいとお話を承りたいことがございますが――」平次の態度は慇懃(いんぎん)でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殆んど信じられないような慇懃な態度でそれをやってのけたのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...相手の慇懃(いんぎん)な話を懶(ものう)げに聞いてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その繁代に鶴村が極めて慇懃な調子で話しかけてゐるのが...
牧野信一 「眠い一日」
...あくまで慇懃(いんぎん)にしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...慇懃(いんぎん)...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索