...あたかも隣りに店を出した洋服屋の存在を教えるように慇懃(いんぎん)に神を教えるのである...
芥川龍之介 「少年」
...慇懃(いんぎん)に礼を施して曰(いはく)...
芥川龍之介 「病牀雑記」
...第三者の前でいつでも新井田氏が渡瀬に対してみせるあの尊大で同時に慇懃(いんぎん)な調子になっていた...
有島武郎 「星座」
...美しい姉妹に慇懃(いんぎん)な会釈(えしゃく)をする...
太宰治 「律子と貞子」
...間もなく神原直造は一種段取りのついた慇懃(いんぎん)な荘重さともいふべき様子でゆつくりと来客の居並んだ前へ進み出て挨拶した...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...彼はこれにたいそう慇懃に応えた...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...彼いま衆に慇懃(いんぎん)の誠をこめて説きて曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...心して恩愛篤く慇懃にわが子の如くあしらへり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...クリストフの世馴(よな)れないことをことに目だたせるような慇懃(いんぎん)さで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...例の柔かい舌で慇懃(いんぎん)な挨拶(あいさつ)を述べた後...
夏目漱石 「門」
...奈良にも慇懃を運んだ樣であるし...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...慇懃なようすで立っていた...
久生十蘭 「キャラコさん」
...相手の慇懃(いんぎん)な話を懶(ものう)げに聞いてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...慇懃(いんぎん)に挨拶をして...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...いつになく慇懃(いんぎん)だった...
吉川英治 「銀河まつり」
...馬上のまま慇懃(いんぎん)に一礼して...
吉川英治 「三国志」
...いと慇懃(いんぎん)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...敢えて慇懃(いんぎん)な心づかいをした...
吉川英治 「新書太閤記」
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