...第三者の前でいつでも新井田氏が渡瀬に対してみせるあの尊大で同時に慇懃(いんぎん)な調子になっていた...
有島武郎 「星座」
...やっと慇懃(いんぎん)な挨拶をして立ち上ったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼はあの慇懃な荘重さをとりもどしてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...」とホームズの慇懃な口ぶり...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「三枚の学生」
...他国人に対しては慇懃であっても...
豊島与志雄 「秦の出発」
...これは道庵先生に対するとは打って変った慇懃(いんぎん)ぶりで...
中里介山 「大菩薩峠」
......
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...兄哥」平次の調子は慇懃(いんぎん)ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...百兵衞と申しますが――」百姓男は慇懃(いんぎん)に挨拶しましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なんか御用で――」慇懃(いんぎん)な態度はひどく粗朴(そぼく)ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さうしてそんな遲い訪問をいかにも慇懃に言ひ譯をしながら...
堀辰雄 「プルウストの文體について」
...感冒の猖獗日に増して」と必ず卦紙一二枚は時候見舞と「憚りながら拙宅一同も無事消光つかまつり居り候故偏へに御休心下され度候」といふ慇懃な御挨拶です...
牧野信一 「月あかり」
...先づ慇懃に頭を下げたその修道士は問うた...
三木露風 「トラピスト天使園の童貞」
...作った慇懃(いんぎん)さでねっちりと云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「葡萄牙(ポルトガル)と申す国の珍らしい酒が手にはいりましたので」と甲斐は慇懃(いんぎん)に答えた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...いつになく慇懃(いんぎん)だった...
吉川英治 「銀河まつり」
...慇懃(いんぎん)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...その前から私たちの後ろに佇(たたず)んでいた三名の慇懃(いんぎん)な老紳士と袴(はかま)を着けた青年が側へ寄って来て...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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