...女がじっとしている間は慇懃(いんぎん)にして見せるが...
有島武郎 「或る女」
...列車ボーイの慇懃(いんぎん)なる手に取られ...
石川啄木 「閑天地」
...慇懃(いんぎん)に前足をつかへ...
巌谷小波 「こがね丸」
...どうぞ召上ってください」給仕は慇懃(いんぎん)に言葉をかえす...
海野十三 「宇宙尖兵」
...そういう時には小谷さんは慇懃一方のひとであった...
鷹野つぎ 「窓」
...あなたのお名前は」孫は殷懃(いんぎん)に言った...
田中貢太郎 「阿宝」
...もちまえの優美で落着きはらった慇懃(いんぎん)さで...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...身を慇懃にもてなして 480愛でぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...八五郎は少々慇懃(いんぎん)無禮な用人の顏を眺めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...老船頭 (茂兵衛の慇懃さに...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...おやすみになるならキャビンへいらしたらどうですか」あたしたちを横須賀まで送って行くれいの慇懃な下士官がそばに立っている...
久生十蘭 「だいこん」
...竜太郎は、慇懃に頭を下げ、じぶんの靴の爪先を眺めながら、しずかに王座に向って歩きだした...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...慇懃に返事をするのだった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...慇懃な如才のない従順な人間はないのだが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...ヒラリとそこへ降りて慇懃(いんぎん)にこう云った...
吉川英治 「剣難女難」
...慇懃(いんぎん)に頭を下げていった...
吉川英治 「新書太閤記」
...慇懃(いんぎん)な態度ではあった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...むしろ慇懃(いんぎん)にさえ見える身ごなしではいって来たが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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