...其心、夜に似て暗憺、いひしらず、汚れにたれど、また一種の美、たとへば、濁江の底なる眼、哀憐悔恨の凄光を放つが如きもの無きにしもあらず...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...不二子の惨憺(さんたん)たる懊悩(おうのう)も知らぬげに...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
......
高見順 「死の淵より」
...その系図の粉飾には苦心惨憺したものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...かなり苦心惨憺する...
中里介山 「大菩薩峠」
...お品(しな)がそれ程(ほど)苦勞(くらう)した米穀(べいこく)の問題(もんだい)が其(そ)の死後(しご)四五年間(ねんかん)の惨憺(さんたん)たる境遇(きやうぐう)から漸(やうや)く解決(かいけつ)が告(つ)げられようとしたのである...
長塚節 「土」
...惨憺(みじめ)なうちにも...
夏目漱石 「坑夫」
...この惨憺たる有様を照して居りましたが...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...血に染んで慘憺たる色をして居りますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それは實に慘憺(さんたん)たる姿でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...惨憺たる有様が一と目にわかります...
野村胡堂 「判官三郎の正体」
...惨憺(さんたん)たる光景を眺め渡しながら...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...老人は苦心惨憺して書きあげた手紙を差し出すと同時に言った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...何という惨憺たるものの如くでしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...脳髄の正体を突止めて行ったポカンの苦心惨憺の蹤跡(あと)をモウ一度くり返して辿(たど)ってみるがいい...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...惨憺(さんたん)たる逆境を今――いかに切り抜けるかに一人苦しんでいたのが...
吉川英治 「新書太閤記」
...惨憺(さんたん)たる苦行をこめて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...長い間の苦心惨憺! 厳重な獄裡の隙を覗(うかが)いつつ一字一句におそれと悲しみを籠めて書いた手紙...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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