...爾来(じらい)「夏の女の姿」は不幸にも僕には惨憺(さんたん)たる幻滅(げんめつ)の象徴になつてゐる...
芥川龍之介 「鷺と鴛鴦」
...惨憺極(さんたんきわま)る有様であったが...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...惨憺の荒野となった処もあれば...
大鹿卓 「渡良瀬川」
......
高見順 「死の淵より」
...また三陸の海嘯各府縣の洪水は實に慘憺たる有樣でございますが...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...成るたけ西洋臭くしようと苦心惨憺(さんたん)しているらしく...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...その苦しみは惨憺(さんたん)たるものであると共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここにいたるまでの苦心惨憺も思いやらるると共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...「大変でしたね」姉の幸子は四方の惨憺たるありさまに眉をひそめました...
野村胡堂 「九つの鍵」
...平次は部屋の四方から、家の構造をひと通り見て、地理的な関係を胸に畳んでから、膝行(いざ)るように中に入って、惨憺たる死骸を、恐ろしく丁寧に見ました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...惨憺(さんたん)たる有様(ありさま)が展開するのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...此慘憺(さんたん)たる樣子を覗いたとしたら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こういう惨憺たる境界で...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...人物の姿は惨憺(さんたん)哀愁人に迫るものがあった...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
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ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...師匠の一家はいま聞きしに勝る惨憺たる体落(ていたらく)だった...
正岡容 「小説 圓朝」
...どうも遅くまで……」そんな次第で私はその晩とうとう睡眠薬を服(の)まなければ睡られないような惨憺(さんたん)たる神経状態に陥ったが...
夢野久作 「少女地獄」
...ああ遂に夜光珠の夢は惨憺(さんたん)たる破れをここに告げました...
吉川英治 「江戸三国志」
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