...途中で日が没して雨でも降って来るとすこぶる惨憺(さんたん)を極めねばならない...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...その苦しみは惨憺(さんたん)たるものであると共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...特に北海道の米作は三分作とか四分作とかいう惨憺たる状態である...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...三中は慘憺たる碧血(へきけつ)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その惨憺たる有様にたじろぎます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...見る眼も慘憺たる有樣でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まことに眼も当てられぬ惨憺(さんたん)たるものです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その慘憺(さんたん)たる有樣を眺めて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...砂礫(されき)のごとき人生かな!われ既に勇氣おとろへ暗憺として長(とこし)なへに生きるに倦みたり...
萩原朔太郎 「氷島」
...二惨憺(さんたん)たるようすをしたこの四人の男は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...こういう惨憺たる島の明け暮れに...
久生十蘭 「ノア」
...この事件の惨憺(さんたん)たる事情をはっきりと見きわめることができたのでしょう...
久生十蘭 「ハムレット」
...彼は拠んどころなく、参考書を購ふのだとか洋服をつくらなければならないからとか云ひ、本は好い加減の安物を積みあげたり、洋服はチラリと見せただけで曲げ込んだりして、苦心惨憺の揚句、漸く月々百円ほどは工面して、送つてゐた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...何処をひらいて見ても惨憺としてゐた...
牧野信一 「病状」
...そこに惨憺たるものがある...
宮本百合子 「「結婚の生態」」
...信長の心のなかの惨憺(さんたん)たる経営はわからない...
吉川英治 「新書太閤記」
...苦心惨憺(さんたん)たる様子がある...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...そうして帰途暴風・饑餓・疫病などのために惨憺たる損害をうけたのであった...
和辻哲郎 「鎖国」
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