...――殊に彼の友だちは惨憺(さんたん)たる窮乏(きゅうぼう)に安んじなければならぬ...
芥川龍之介 「十円札」
...ひたすらライフに真実ならんと努力する芸術的天才は常に惨憺零落の生涯を送る...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...惨憺たるものでした...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...」私は再び暗憺(あんたん)たる気持ちになった...
太宰治 「誰」
...此慘憺たる有樣でありながら...
田中正造 「公益に有害の鑛業を停止せざる儀に付質問書」
...運傾きて慘憺と大地の上に垂れさがり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...苦心惨憺のところです...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこに惨憺(さんたん)たる苦心もあるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...私はもう惨憺たる部屋の中へ入り込んで居りました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...ここは更に惨憺(さんたん)たる有様です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...惨憺たる盃盤の後を片付けております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...全く惨憺たるものです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...血に染んで惨憺(さんたん)たる色をしておりますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...さて、真名古は、今いったような妙な恰好で、梯子に宙乗りをしながら一見茫乎として空を仰いでいたが、やがてバラリと腕を解くと、惨憺たる声調で、「畜生、この警察にあいつの一味がいやがったんだ...
久生十蘭 「魔都」
...「何といふ惨憺たる老年であることか! しかもこれが四十年に亙つて『魂と肉体とを苛んだ』精進の結果である...
北條民雄 「頃日雑記」
...言語の上に意匠惨憺(さんたん)たる処は慥(たし)かに見ゆるなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...季節の不良によるちょっとした食物の不足をすら惨憺たる凶饉たらしめるのであり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...都會生活の慘憺(さんたん)たる状態(じやうたい)だ...
三島霜川 「平民の娘」
便利!手書き漢字入力検索