...豫感と憧憬との境に想を馳せ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...憧憬が人間の万物の霊長たる所以である...
石原莞爾 「戦争史大観」
...今まではばらばらだった私の生活に対する憧憬が形をもってきました...
伊藤野枝 「成長が生んだ私の恋愛破綻」
...而(しか)して偶々(たまたま)その憧憬せる平等に達することを得るにしても一般に身体と精神の健全を犠牲としてゐるのである...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「婦人解放の悲劇」
...この位の低い程度の女として都を憧憬して來るのはそも/\むほん心があり過ぎると思つたので...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...憧憬の悲哀と言つたものより他に...
田山録弥 「春雨にぬれた旅」
...Kの憧憬(あこがれ)は其処にも此処にもその常子の面影を見...
田山録弥 「ひとつのパラソル」
...いかに彼が純粹な詩の憧憬者であり...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...ボクさんの星の世界への憧憬(あこがれ)は...
久生十蘭 「キャラコさん」
...現世の罪や穢れを洗い清めるために参詣すべき聖地として印度人に憧憬されていたカイラースの湖畔などは...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...絶望とそしてあの憧憬...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...永遠なるものに対する憧憬...
三木清 「語られざる哲学」
...フランスの文学や思想に憧憬を感じ...
三木清 「読書遍歴」
...よりよき人の世を憧憬する事を指すのならば...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...私はまた雑草をわけ木立の中を犬のように潜(くぐ)って崖端へ出て見はるかす町々の賑わいにはかなく憧憬(あこが)れる子となった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...然(そ)うした世界に憧憬して...
若杉鳥子 「職業の苦痛」
...むしろそれは西方浄土への憧憬として...
和辻哲郎 「鎖国」
...当時の人心の驚異と憧憬とを語りつくして余さない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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