...新らしき物に対する憧憬とが...
淡島寒月 「明治十年前後」
...それだけ全国の盲人の憧憬の的となっていた...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...倦怠と憧憬とは同じでない...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...しかし其時ほど強い烈しい憧憬を覚えたことはなかった...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...いろいろな憧憬(あくがれ)の思ひ出が絵巻のやうにかれの頭を掠めるのであつたけれども...
田山録弥 「ひとつのパラソル」
...こを室内に陳すれば多くの騎士は憧憬の目を光らせど求め得ず...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼はかならず恋しい憧憬(どうけい)の無言の祈りをささげた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...実際よりもなお麗(うるわ)しくなお立派なものにして憬慕(けいぼ)するのである...
永井荷風 「銀座」
...人もあろうに大谷刑部少輔吉隆にそれほどまでに憧憬を捧げているのか――お銀様は...
中里介山 「大菩薩峠」
...アナアキスチックの自由に憧憬してゐるか...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...江戸憧憬者が惜がるのは...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...世は去り世は来(きた)る 地は永久(とこしへ)に長存(たもつ)なり次第に彼は少年の頃の憧憬に胸を締めつけられるやうな疼きをおぼえた...
原民喜 「火の踵」
...私の美しい憧憬は破れ...
平出修 「二黒の巳」
...いとも花々しい労働に没頭することから端を発して幽遠な精神上の光りの国へ憧憬の翼を差し伸したい――そんな風な...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...爽かなことばかりに憬れてゐるんだが...
牧野信一 「街角」
...憧憬なんぞを知らない幸福者として...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...烈しい憧憬の心も認められる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...憧憬を単に憧憬に終わらしめない...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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