...自分は假に之を融合愛(Verschmelzungsliebe)と憧憬愛(Sehnsuchtsliebe)と名づける...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...人間の憧憬の対象とはならなかった...
石川欣一 「山を思う」
...何とも言へない影やら彩やらを持つたものの多いのに空しく憧憬した...
田山録弥 「私の考へてゐる事」
...中学時代の自分の頭には実際丸善というものに対する一種の憧憬(どうけい)のようなものが潜んでいたのである...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...汝ら斯くも憧憬の地なる祖先の恩愛の宿をめざして去らんとや? 175汝らかくてプリアモス又トロイアに戰勝の譽並にアルゴスのヘレネー棄つや? 彼のため...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...千葉で挫折(しくじ)った結婚生活への憧憬(しょうけい)が...
徳田秋声 「縮図」
...憧憬さえも失われている...
豊島与志雄 「風景」
...青年時代の活気を憧憬(しょうけい)するは蝶(ちょう)を花を楽しむに異ならない...
新渡戸稲造 「自警録」
...音楽も調和均衡ある正常な美を憧憬し追求するのが自然な道であろう...
信時潔 「望ましい音楽」
...アナアキスチックの自由に憧憬してゐるか...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...英雄的なものへの憧憬(どうけい)から...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...むさぼり求めるような憧憬が燃えているのだ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...思いも寄らぬほどおそろしい苦悩とへ向っての憧憬なのです...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幻滅」
...失われたものへの憧憬ともいうべきものを含んでいる名前である...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...あのもう一人の男の澄み切った世界――その世界へ入って行こうとする憧憬が...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...そう考え憧憬(あこが)れていた乙女の夢を...
山本周五郎 「松林蝙也」
...又はいろいろなローマンチックな夢なんぞに憧憬(あこが)れておられます...
夢野久作 「少女地獄」
...それでも自分の註文に嵌(は)まった本格探偵小説を憧憬(あこが)れ望んでいる事は決して人後に落ちないつもりである...
夢野久作 「探偵小説漫想」
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