...此處にも亦よりよき生活に對する憧憬の心を見る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...若し又その本質の中に普遍に對する憧憬を持ちながら...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その妙な思いというのはこうだ――おれがあんなに度々あんなに熱心に憬(あこ)がれた夢が...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「幻想」
...その他の部分も必ずや母への憧憬(どうけい)で埋まっていたことであろう...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...寧ろ憧憬の念をさえ抱いて居ました...
谷崎潤一郎 「幇間」
...かつて書籍で読み詩で読んだ思想と憧憬(しょうけい)...
田山花袋 「田舎教師」
...しかしアカデミックな芸術に食傷したものの眼には不思議な慰安と憧憬を感ぜしめる...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...中学時代の自分の頭には実際丸善というものに対する一種の憧憬(どうけい)のようなものが潜んでいたのである...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...此等の若い先生達から新しい日本への憧憬と希望を吹込まれて居た生徒の眼前に突然此の新しい英語教師の蓑田先生が現はれて...
寺田寅彦 「蓑田先生」
...ひそかな烈しい憧憬ですね――そういう憧憬を知らない人は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...ほかのいかなる憧憬よりも...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...」ここに生産的憧憬といふ語をもつて表現された如く...
三木清 「ゲーテに於ける自然と歴史」
...遊蕩と必然の關係のあるものとして憧憬してゐる傾向があつた...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...何と旧約風の憧憬(ママ)でしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「巴里(パリイ)より」の初めに予等は日夜欧羅巴(ヨウロツパ)に憬(あこが)れて居る...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ただ中腹から仰ぐ憧憬の焦點であるが故に頂上の尊敬はあるのであつて...
吉川英治 「折々の記」
...夢の中の恋人に憬(あこが)れる男があろうか……)『君...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
...当時の人心の驚異と憧憬とを語りつくして余さない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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