...暑さに憩うだけだったら...
泉鏡花 「瓜の涙」
...取りあえず亀の井別荘の亀楽園(きらくえん)に憩う...
高浜虚子 「別府温泉」
...はて知らぬ遠き旅に上った身は――木影に憩うことをしないのだ...
豊島与志雄 「旅人の言」
...あるいは自分の疲れた体を憩うて身体の健全を維持する望を懐き...
新渡戸稲造 「デモクラシーの要素」
...憩うてゐることだらう...
堀辰雄 「ゲエテの「冬のハルツに旅す」」
...彼女の重い籠を壁の突き出たところに置いて憩うてゐる老婆もありました(ほんたうに小さな老婆で...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...茶店(ちやてん)に憩うて鈴木玄仙に邂逅し...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...油屋(あぶらや)という家に入りて憩う...
森鴎外 「みちの記」
...松の近傍で憩うている在郷者を眺める時の表情に似ている...
矢田津世子 「凍雲」
...弟はそのころ立場(たてば)に憩う人力車の背後の武者絵などで...
柳田国男 「故郷七十年」
...私のようにあなたも不運その口もとには人知れぬ無念さがたたえられじっと耐えた涙はひとみの輝きを消し動悸する胸は痛傷を潜ませてひみつ口をつぐんで苦痛に耐えつつも秘密は私たちの悩める心の底に憩うたとえ心の中で暴れるとも揺ぎだすとも口はいつも閉めてあるウィスキーを一日一本くらいお飲みになるので心配なのだけれども...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...それが近ごろ急にこういう滅んだものの憩う姿が見たくなるのだった...
横光利一 「旅愁」
...先祖の憩う姿を彼は見て置きたかったまでにすぎなかった...
横光利一 「旅愁」
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