...彼女は憤怨の表情を浮かべた...
...彼の憤怨は、まるで空中に浮かぶ嵐のようだった...
...彼は憤怨を抱えていたが、自分の思いを伝える勇気がなかった...
...友人の裏切りに対して、彼は憤怨を感じた...
...彼女の言動に対して、彼の憤怨は日々募っていった...
...殆一肚皮(いつとひ)の憤怨何(いづれ)の処に向つてか吐かんとするを知らず...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...彼は々(るゐるゐ)たる紅球燈の光を浴びて、新富座の木戸口に佇(たたず)みつつ、霖雨の中に奔馳(ほんち)し去る満村の馬車を目送するや、昨日の憤怨、今日の歓喜、均(ひと)しく胸中に蝟集(ゐしふ)し来り、笑声嗚咽(をえつ)共に唇頭(しんとう)に溢れんとして、殆(ほとんど)処の何処(いづこ)たる、時の何時(なんどき)たるを忘却したりき...
芥川龍之介 「開化の殺人」
...三分の恐怖と七分の憤怨とを抱ける頼朝は...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...故にこの立脚地に在る限り、自他の關係は必ず不滿、憤怨、憎惡等でなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...憤怨は余をして信仰上の自殺を行わしめんとせり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...一腔(こう)の憤怨(ふんえん)焔(ほのお)のごとく燃え起こりたる千々岩は...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...十九年間徒刑場の舗石(しきいし)の上で拾い集めたあの恐ろしい思想の嫌悪(けんお)すべき一団を魂のうちに隠しながら憤怨(ふんえん)の情に満ちて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...非常に憤怨して陰では散々当局者を罵っていたが...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...憤怨といえば、士族以上も門閥を失い家禄を奪われたのであるから、随分不平を唱えていたことは勿論である...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...司馬遷(しばせん)は極度の憤怨(ふんえん)のうちにあってもこのことを忘れてはいない...
中島敦 「李陵」
...わが憤怨(ふんえん)の情は何ともあれ...
福田英子 「妾の半生涯」
...心中にむらむらと燃え立ち渦巻く憤怨(ふんえん)のほむらを...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...天下正義之者忽(たちまち)朝廷を憤怨(ふんゑん)し...
森鴎外 「津下四郎左衛門」
...今さらその憤怨を歯ぎしりして怒り歎くといえど...
吉川英治 「江戸三国志」
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