...如何(いか)にもその女を憎悪するような顔付をしていた...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...私は苦悶(くもん)の無い遊びを憎悪する...
太宰治 「父」
...また之を憎悪するの念もっとも高きものがあります故...
太宰治 「もの思う葦」
...相手の人間をいたずらに傷つけ殺し軽蔑し憎悪することで...
田中英光 「さようなら」
...もつと痛切に人間と人生とを憎悪する心に燃えたかも知れない...
田山録弥 「自他の融合」
...兇蕃を憎悪する感情は渦のように町全体を覆っていたのである...
中村地平 「霧の蕃社」
...それをなぜ日本側が憎悪するのか理解するのに苦しんだが...
久生十蘭 「ノア」
...俺は希望を憎悪する...
北條民雄 「断想」
...どこまでも正面から肯定して落着いてゐる照子が羨しくもあり憎くもありまた可憐にも見えて……などと思つてゐるうちに私は酷く自らを憎悪する気持が湧きあがりました...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...自分たちの木剣姿に向けられた街の表情を憎悪することはなかっただろうか...
宮本百合子 「女の行進」
...初め恋愛していたために今憎悪する戸主に虐遇せられ...
森鴎外 「渋江抽斎」
...さきにそれを自分に与えた人を侮辱し憎悪するように見せかけることによって確保することができると考えるからである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人を憎悪することが...
山本周五郎 「はたし状」
...どこに孔子のいッてる“道(みち)”なんてものがある?」日ごろ憎悪する相手にめぐりあって...
吉川英治 「大岡越前」
...平家を憎悪する気力すらないのが...
吉川英治 「親鸞」
...謀主(ぼうしゅ)になっても亡(ほろぼ)したいほど憎悪する平家ではあるが...
吉川英治 「親鸞」
...彼を憎悪する者のほうが遥かに多い...
吉川英治 「親鸞」
...私利をはかって超個人的道義的任務を忘れたものをすべて腐敗せるものとして憎悪する...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
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