...女の薄情を憎む余り...
芥川龍之介 「一夕話」
...俺は決してお前を憎むのではないが暫らく余焔(ほとぼり)の冷(さ)めるまで故郷(くに)へ帰って謹慎していてもらいたいといって...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...そんなに憎むべき大悪業でもないやうに私たちには思はれて...
太宰治 「右大臣実朝」
...憎めば憎むほど一層彼女が美しくなるので殺したのだと...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...自分の憎むあらゆる者をユダヤ人だと呼んでいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかしそれを軽蔑しまたは憎むことはできない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...こういう半畳屋を憎む心になったのでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...己(おのれ)の當然嗣ぐべき位を奪つた・そして執拗に己の入國を拒否する・貪欲な憎むべき・若い衞侯が在るだけである...
中島敦 「盈虚」
...夫を奪おうとした憎むべきリメイに断乎としてヘルリスを挑むべく...
中島敦 「南島譚」
...日ごとにますます公然と憎むようになった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...」道子の例の憎むべき冷笑の声が彼の耳に聞えた...
牧野信一 「爪」
...憎むべき監禁状態から彼女を自由にすることが出来たらば...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...妻の強壯な體を憎むでゐるのだ...
三島霜川 「青い顏」
...また規律と真理の大敵であるところの・あの独りよがりの・思いあがった・しつこい・喧嘩腰の傲慢を憎むようにもなったのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...おいおいにこれを忌み憎むの念が普通の社会には強くなり...
柳田国男 「山の人生」
...そこへゆけばもう憎むことも騙(だま)すこともない...
山本周五郎 「柳橋物語」
...冬を憎む歌ああ憎き冬よ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...武蔵さんを憎みますか」「憎むとも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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