...同時に又憎むことの如何に苦しいものであるかを痛感するだろう...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...………君はあの時分に芳子さんを心から憎むことが出来たんだろうね」「憎くもあったが哀れでもあったさ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...人を憎むよりも己を責めろ...
種田山頭火 「其中日記」
...そういう時の笹村は一刻(いっこく)に女を憎むべきものに思い窮(つ)めた...
徳田秋声 「黴」
...そこで軍部が憎むものは...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...あなたですか」「はい」「人を憎むことをやめて...
中里介山 「大菩薩峠」
...私の心よ!それにしても私は憎む...
中原中也 「山羊の歌」
...惡い人間だが憎む氣になれなかつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...こんなことなら辛い悲しいと思ひ勝ちであつた現在の境遇も憎むには当らない気がして来た...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...私があの女を憎むのはあの女が狂人(きちがひ)だからではない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...このウィルスンが私のことに憎むべき関心を持っていることの新たな証拠を見た...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...あなたのためにあいつを憎む...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...憎む気にもなれなかつたが...
牧野信一 「鏡地獄」
...凡そその吹奏者を憎む人は皆無であらう...
牧野信一 「緑の軍港」
...私は真にあの罪の憎む可き事を考えて警察に訴えたのか? それとも父へ向って実母と自分との受けた侮辱を復報するためであったか? それが混乱した頭には分りませんでした...
松永延造 「職工と微笑」
...そして罪人の残忍を憎めば憎むほど...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...その手代を「殺すほど憎む」ということは...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...如何に憎むべき罪人とはいえ...
夢野久作 「巡査辞職」
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