...僕が芥川をしんそこ憎い奴と思つたのはそれ一度きりである...
小穴隆一 「二つの繪」
...憎いのんあの男だけで...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...長吉は劇中の人物をば憎いほどに羨(うらや)んだ...
永井荷風 「すみだ川」
...憎いぢやないか」錢形平次は苦い顏をしました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...砂利を詰め替えたのは憎いじゃありませんか」江島屋の口調では...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...憎い口惜しいでやつてのけたに違ひあるまい」「でも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...……そこが憎い...
久生十蘭 「魔都」
...さぞさぞ周子までが心憎いことだらう...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...俺(おれ)のは憎いんでもないければ可愛(かあい)いといふんでもない………たゞしツくり性(しやう)が合はんといふだけのことなんだ...
三島霜川 「青い顏」
...憎いほどにも隠し続けたと自分を思うかもしれぬと知った心から...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...えらい人たちに対して愛憎いずれの感情にも駆られないし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...瀟洒(せうしや)とした所に素直な気取(きどり)を見せたのは一寸(ちよつと)心憎い様に思はれる...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...お前達誰一人憎い可愛いといふ者はない...
吉川英治 「折々の記」
...日吉がそう憎いわけでもなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...その一瞬こそ、憎い敵と、歯がみはしたが、時経つと、甲軍の人々もみな、「敵ながら出来(でか)した者」と、心のうちで、彼の死を弔(とむら)わない者はなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...その方は平常から傲慢(ごうまん)で憎い奴だ」「坊主と武士(さむらい)...
吉川英治 「宮本武蔵」
...勝てるか」「勝てるかとは」「憎いと思う人間どもに――領主の法規に――また自分自身に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...嫌味で小憎いものはない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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